塾なしで東大合格、経験者が語る「絶対にしない」4つの習慣とは? 成績が伸び悩むなら「やめてみる」価値あり、勉強版"四毒抜き"

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もう1つは「教科書やプリントにすべて書き込む派」。先生の小噺や補足説明を、そのページの余白に極細のペンで書き込んでいきます。人間の記憶は場所と結びつきやすいので、「このページの右上にあの例え話が書いてあったな」と思い出しやすくなる。

どちらのパターンにも共通しているのは、「黒板をそのまま写す」ことに時間を使っていない点です。

板書を写すことに意識を奪われると、授業が作業に変わってしまいます。授業の理解をする時間に変えたいなら、板書を写すだけの勉強から少し距離をとってみる価値があると思います。

誘惑と「勝負しない」【毒4:家での勉強】

勉強習慣がなかなかつかないご家庭の話を聞くと、驚くほど多くの子が「子ども部屋」や「普段遊んでいるリビング」で勉強しています。もちろん、自分の部屋は落ち着くし、リビングなら親の目も届きやすい。移動時間ゼロで勉強を始められるなど、一見すると大きなメリットがあるように見えます。

ただ、私の観測範囲においては、集中して学習する習慣をつくるうえではデメリットのほうが大きい可能性があると感じています。

人間の習慣は、時間よりも「場所」に紐づきやすいと言われます。トイレに入って尿意を感じるのも、やはり場所と行動が紐づいている、ということでしょう。

そんな中、家はほとんどの子どもにとって、「休む」「寝る」「ご飯を食べる」「スマホをいじる」場所としての文脈の方が強い場所です。とくに、子ども部屋は親の目が届きにくいこともあり、リラックスできる。

そんな場所で「さあ、今日からここを集中の場にしよう」と言われても、脳の側が切り替えることがなかなかできないのです。私自身、高校にも塾にも通っていなかったので、自宅で自分を律して学習する必要がありました。

ただ、いざ自分の部屋で勉強してみようとすると、スマホ、ゲーム、机の片づけ……こうした誘惑が、気持ちとしては1日で100回は襲ってきます。実際、1回きりの「誘惑との勝負」なら9割以上は勝てていると思います。

しかし、部屋で勉強すると1日に100試合程度、”誘惑との試合”が組まれてしまう。そのうち1回でも負ければ、その日はもう勉強が流れてしまいます。

だから私は、勝率を上げる努力をするのではなく、そもそも“試合”の数を減らす方向に舵を切りました。具体的には、毎日図書館に通うことだけを習慣にしたのです。図書館の席に座った瞬間、スイッチが自然と入りやすくなる。さらに、誘惑の数も途端に少なくなります。これは、自分の意志を鍛えるよりも、環境の力を借りてしまった方が早い、という発想です。

家庭学習でいちばん怖いのは、「集中していないのに長時間やらせる」ことです。

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