動物を飼うのは、夫婦になって数十年で初めての経験だった。ミキさんは結婚前に実家でペットを飼育していたが、マサルさんにとってマロンくんは初めてのペット。飼育で戸惑うことも多かったのではないかと聞いてみるも、ミキさんは首をひねる。
疲れていても心に余裕が生まれる
「困ったこと、ですか? そうですねえ、最初はトイレを覚えなかったらどうしようと思っていました。フェレットは部屋の隅で排泄する癖があると聞いていたので、最初はトイレをいくつも買って部屋の隅に置いてみたんですよ。でも、結局するのは玄関前の1カ所だけ。居間で遊んでいても、トイレに行きたくなると『こりゃ大変だ!』って感じで玄関のトイレに走っていくんです」
心配だったトイレ問題も、マロンくんはすぐにクリアした。何かしてほしいことがあれば、お腹をコロンと出して訴えるようになり、ある程度意思疎通も可能になった。ご飯や水がなくなれば、器の前でコロン。大好きなお風呂場へ行きたいときは、扉の前でコロン。
「たぶん、学習したんでしょうね。お腹を見せると、私たちが喜んでなんでもやってあげちゃうから」
夫婦で共通の趣味もできた。マロンくんをお迎えしたフェレット専門のペットショップで催されるイベントに、夫婦で参加するようになったのだ。写真会やトンネルを使った運動会など、フェレット仲間と楽しく交流しているという。
まるで孫と第二の人生を楽しむように、夫婦はマロンくんと幸せな時間を過ごしている。フェレットは初心者でも比較的ペットとして飼いやすいといわれている。特にマロンくんが賢く、穏やかで人懐っこい性格であることが幸いして、夫婦は1年半ほとんど飼育にストレスを感じず、まっすぐな愛情を注いできた。
夫はマロンくんを通して、ハードルの低い「子育て」で自信を得て、小さなものを愛する余裕を持った。妻はかつて一人で対面していた子育てを、今は夫と共に楽しんでいる。そしてときには、マロンくんがいることで強くなれることもある。



















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