紙コップやボールペン、家電に"隠しカメラ"…日常生活に潜むサイバー攻撃が怖い、「現実とサイバー空間の境界があいまいな時代」の身の守り方

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

テレビやAV機器に黒いアクリルパネルを使ったものがある。LEDの光を和らげ、リモコンの赤外線などを通しやすくするために使う。このパネルの裏に隠しカメラを設置して盗撮するという犯罪がある。

この手の攻撃は、ホテルより民泊、B&B(簡易宿泊施設)での警戒が必要だ。オーナーや運営者ではなく、そもそも盗撮などを狙った利用者が普通に宿泊して細工を行うことが多いからだ。

カメラや通信機器の小型化は、隠しカメラの進化も促している。当然、検知技術もそれに対応すべく進化している。例えば、黒いアクリルパネル裏側のカメラについては、これを検知できる偏光フィルターを備えたカメラや防犯器具もある。この装置を使えば肉眼や普通のカメラでは見えない、パネル裏のレンズを目立たせることができる。

偏光フィルターで隠しカメラを発見できる装置
偏光フィルターで隠しカメラを発見できる装置(写真:筆者提供)

映画の世界のようだが、たばこの空き箱、ボールペンサイズの隠しカメラも珍しい技術ではなくなっている。蓋つきの紙コップにカメラと通信機を仕込むことは造作もない。飲みかけのドリンク、お菓子の空箱がトイレや更衣室に放置されていても気にする人は少ないかもしれない。

隠しカメラを検知するには?

このようなカメラの検知は熱源センサーが応用できる。トイレや更衣室には監視カメラを設置するわけにはいかない。出入り口なら防犯カメラを設置できるが、これはプライバシーや情報管理など別の問題を生む。

天井埋め込み型の熱源センサー
天井埋め込み型の熱源センサー(写真:筆者提供)

熱源センサーならカメラ映像ではない形で隠しカメラ、通信モジュール、バッテリーなど稼働時に発熱する物体を検知できる。熱源センサーで異物・隠しカメラを発見するソリューションも存在する。

次ページ自動車にまつわるセキュリティリスク
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事