「串打ち3年は過去のもの?」価格高騰に逆行、名古屋で"うなぎ屋オープンラッシュ"の構造
しかし、うなぎ料理は「串打ち3年、割き8年、焼き一生」といわれ、職人の技術があってこそ成り立つのではないのか。
「もちろん、串打ちや割きの練習はしましたよ。しかし和食の料理人の経験があればそんなに難しいものではないですし、慣れない頃は、あらかじめ開いてあるうなぎを仕入れていました。焼き魚用のグリルでもおいしく焼くことができます」(前出の店主)とのことだ。
1987年創業の日本料理店がルーツ
愛知県尾張地方東部にある春日井市に今年6月、うなぎ料理店「美濃金」がオープンした。1号店は岐阜県南部の各務原市にあり、こちらは2021年10月の開店。経営母体は北海道から九州まで全40店舗を展開する「さかい珈琲」を運営するJ・ART(岐阜県各務原市)である。
「『美濃金』は、良質なうなぎを育む木曽三川の清流に恵まれた岐阜で、1987年に創業した日本料理店がルーツです。弊社は、うなぎを最もおいしく味わう方法を長年にわたって探究してきました。コロナ禍をきっかけにうなぎが改めて注目を集めたことから、鰻専門店の出店を決めました」と話すのは、J・ART新規事業部部長の清水仁詞さんだ。
うなぎは主に皮も身もやわらかい新仔を使用するため、初夏から夏にかけては宮崎と愛知、夏から秋冬は静岡と鹿児島、春先は高知という具合に時季ごとに産地を変えている。冬場に中国産の新仔うなぎを仕入れている店も多い中、国産にこだわっている。
「外国産であっても厳しい基準をクリアして日本へ輸出されているので問題はないとは思いますが、外国産と聞いただけで不安になる方もいらっしゃいます。それならば、すべて国産にしようと。少し前まで天然もののうなぎも扱っていましたが、資源保護の観点からやめることにしました」(清水さん)



















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