転機を迎える日本の人材育成(その1)

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●今後の能力開発の方針では選抜社員を重視

 能力開発の方針は今後どの方向に進むと思うかも聞いてみた。現在の能力開発の方針と、今後の能力開発方針の予想の違いが興味深い。メーカー、非メーカーともに「社員全体」が落ち、「選抜社員」が急伸しているのだ。
数字を見てみよう。メーカーの今後の能力開発で重視するのは「社員全体」が14%、「どちらかというと社員全体」が30%、あわせて44%である。「現在の能力開発」の54%から10ポイントも落ちている。
そして「どちらかというと選抜社員」は44%、「選抜社員」は9%であり、あわせて53%だ。「現在の能力開発」では「どちらかというと選抜社員」が32%だったから、20ポイント以上伸びている。
非メーカーでは「社員全体」が30%で、「どちらかというと社員全体」は23%。あわせて53%だ。「現在の能力開発」では70%だったから、20ポイント弱も落ちている。
「どちらかというと選抜社員」は26%、「選抜社員」が9%で、あわせて35%。「現在の能力開発」では18%だったから、10ポイント近く増えている。
数字を検証して感じるのは、教育研修が転機を迎えようとしていることだ。もともと日本の教育研修は全員参加型が主流だった。現在もそうだろう。しかし、戦略的な経営が必須になりつつあるいま、人材育成にも戦略性が求められ、人材を選抜して育てるという方向に舵が切られつつあるように思える。
ただし、選抜に値する人物を採用していなければ、選抜することはできない。回答者のフリーコメントに「長期的な目で見ると、採用の時点で“選抜社員”になりうる人材を選んでいくことになるのではないかと考えます」とあったが、その通りだろう。

図表5:今後の能力開発方針の予想
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