【共同ファクトシート全文】ソフトバンクや東芝、日立など日米の企業が関心を示す21件の対米投資事業とは?

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文書への署名を終え、握手を交わすトランプ米大統領(左)と高市首相(28日、東京・元赤坂の迎賓館で)=代表撮影

日米両政府は28日、7月の日米関税合意で約束した5500億ドル(約84兆円)の対米投資について、事業主体の候補企業と事業内容をまとめた「共同ファクトシート」を発表した。三菱重工業や東芝など大手企業が名を連ね、エネルギーやAI(人工知能)関連など総額3900億ドル(約60兆円)余りが盛り込まれた。日本側は早期実施へ向けた検討を本格化させる。

 

今般のトランプ大統領の訪日に際し、日米両政府は、日米両国の企業が、次の分野におけるプロジェクト組成に関心を有していることを歓迎した。(カッコ内の金額は事業規模の総額=投資、売り上げなど=を示す)

■ウェスチングハウス

AP1000原子炉及びSMRの建設。三菱重工業、東芝やIHIなどの日本企業の関与を検討。【最大1000億ドル】

■GEベルノバ日立

SMR(BWRX―300)の建設。日立GEベルノバなどの日本企業の関与を検討。【最大1000億ドル】

■ベクテル

重要な中核施設への信頼性の高いエネルギー供給をサポートする発電所、変電所、送電システムなどの大規模な電力および産業インフラにおいて、プロジェクト管理、エンジニアリング、調達、建設サービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

■キーウィット

エンジニアリング、調達、建設サービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

■GEベルノバ

ガスタービン、蒸気タービン、発電機などの大型電力機器を、送電網の電化および安定化システム(重要な中核施設向けの高電圧直流送電=HVDC=や変電所ソリューションを含む)に供給。日本企業の関与を検討。【最大250億ドル】

■ソフトバンクグループ

大規模電力インフラ構築のための仕様、設計、調達、組み立て、統合、運用、メンテナンスを設計・開発。【最大250億ドル】

■キャリア

電力インフラに不可欠な冷却装置、空調システム、冷却液配分ユニットを含む熱冷却システムおよびソリューションの供給。日本企業の関与を検討。【最大200億ドル】

■キンダー・モーガン

天然ガス送電およびその他の電力インフラサービスを提供。日本企業の関与を検討。【最大70億ドル】

■ニュースケール/ENTRA1エナジー

AI向けの電源開発(ガス火力、原子力)を検討。

■東芝

ビジネス・技術などの諸条件における合意を前提に、電力モジュール、データセンター用変圧器、変圧器などの変電設備機器の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化を目指す。

■日立製作所

HVDCの送電設備および変電設備、データセンター向けトランスフォーマーを含む電力インフラの供給およびサプライチェーンの強化。

■三菱電機

データセンター向け発電に関するシステム(例えば発電機、送配電システムなど)、及びデータセンター機器(例えばUPS、チラー=IT Cooling=、受変電システム、非常用発電機など)の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化。【最大300億ドル】

■フジクラ

光ファイバーケーブルの供給。

■TDK

AIインフラに不可欠な先端電子部品、パワーモジュールの供給及び米国におけるサプライチェーンの強化を目指す。

■村田製作所

高品質な多層セラミックコンデンサー(MLCC)、インダクタ、EMI抑制フィルターなど、先進的な電子部品を提供し、また、リチウムイオン電池における専門技術を活(い)かし、バックアップ電源およびエネルギー貯蔵システム(以下「ESS」)向けバッテリーモジュールの開発を進めており、バックアップ電源及びESS向け製品(AC―DC/DC―DCコンバータモジュール、リチウムイオン製品、バッテリーモジュール)、先進電子部品の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化を目指す。【最大150億ドル】

■パナソニック

エネルギー貯蔵システム(ESS)、その他電子機器・電子部品の供給及び米国におけるサプライチェーンの強化。【最大150億ドル】

■ファルコン・カッパー

米国西部に位置する銅製錬・精錬施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【20億ドル】

■カーボン・ホールディングス

グリーンフィールドのアンモニア及び尿素肥料施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【最大30億ドル】

■エレメントシックス・ホールディングス

高圧・高温によるダイヤモンド砥粒(とりゅう)製造施設の建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【5億ドル】

■マックスエナジー

載貨重量10万トンクラスの原油タンカーに対応するための浚渫(しゅんせつ)・拡幅を含む、米国南部の船舶航路改善プロジェクトの完了。アメリカの原油の輸出を促進。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【6億ドル】

■ミトラケム

リチウム鉄リン酸塩の生産施設を建設。日本のサプライヤーやオフテイカーによる関与を検討。【3・5億ドル】

日米両政府は、9月4日に日米両国が署名を行った5500億ドルの戦略的投資に関する了解覚書の対象となる案件も含め、今後、日米両国のサプライチェーン強靱化(きょうじんか)に資する様々なビジネス上の取り組みが推進されることについて、強い期待を表明した。

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