「高専発スタートアップ」が続々と誕生!国・自治体・企業も熱視線、なぜ国立高専で起業の道を選ぶ学生が増えているのか?

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「起業して人材採用のフェーズに入った学生を高専の教員がフォローするのは難しい」と、細田氏。そこで、高専発スタートアップが初めて採用を行う際、ビズリーチが伴走しながら「応募者の経歴をどんな観点で見たらいいか」といった採用ノウハウを教えていくという。

その第一弾として、香川高専発のD-yorozuが副業・兼業限定のCMO採用を行う。「地方の高専でも全国からCMOに応募してもらえるという実績を作りたい」と細田氏は話す。

国も「高専発スタートアップ」に期待

国も高専に期待を寄せている。国が2022年に策定した「スタートアップ育成5か年計画」では、高専における起業家教育の強化が明記された。さらに同年度に文科省が公募した「高等専門学校スタートアップ教育環境整備事業」では、選ばれた国公私立高専56校に対し、起業家工房(試作スペース)の整備等の費用として1校あたり1億円の補助が行われている。

高専のスタートアップ教育のこれからについて、中野氏はこう話す。

「起業はあくまで選択肢の1つですが、皆様の高専への期待に応えるべく、学生がきちんと成長戦略を描ける起業ができるよう寄り添っていきたい。高専ごとに特色や教員配置は異なり、高専だけでは対応できないこともありますので、今後はスタートアップ支援ができるコーディネーターも機構本部に配置し、関係団体と連携しながらサポートしていきたいと思っています」

全国各地で地域課題が山積している今、地域に根差した学びの中から課題解決の種を見つけ、ビジネスとして育てる環境がある高専の存在感は、今後さらに高まっていきそうだ。

東洋経済education×ICTでは、小学校・中学校・高校・大学等の学校教育に関するニュースや課題のほか連載などを通じて教育現場の今をわかりやすくお伝えします。
吉田 渓 フリーライター

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よしだ けい / Kei Yoshida

神奈川県出身。大学在学中からフリーライターとして執筆活動を開始。近年は心と身体、教育、ワークスタイルなどを中心に執筆を行う。ライフワークは農業や漁業にまつわる言い伝えや桜の言い伝えを調べること。著書に『働く女のスポーツ処方箋』がある。

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