「カリスマ池田大作氏なき公明党」が下した"原点回帰"の決断、その波紋がもたらす《政界再編含み》の3つの政局シナリオ
公明党は国民民主党ともに、企業・団体献金の受け皿として現在7000を超えている政党支部を減らすため、各政党本部と都道府県連に限定する案をまとめている。斉藤氏は高市氏にその案を受け入れるよう求めた。
だが、自民党においては、政党支部を大幅に減らせば地方議員の反発は必至。公明党の提案を受け入れる余地はなかった。高市氏は「党内での検討が必要だ」という考えを繰り返したため、斉藤氏は連立離脱を通告した。

さらに公明党側は、自民党の新執行部人事で、裏金問題に関与して衆院選で非公認とされた萩生田光一元経済産業相が幹事長代理に起用されたことを問題視した。萩生田氏をめぐっては、元秘書が政治資金規正法違反で略式起訴され、罰金刑を受けている。高市氏の後見役として副総裁に就いた麻生太郎元首相が、公明党とは信頼関係がないことは周知のことだ。
公明党の「連立離脱」が引き起こす衝撃
公明党の連立離脱が自民党に与えた衝撃は計り知れない。衆院(定数465)の現有勢力は自民196、公明24。合計220で過半数(233)に届かない。公明が連立を抜ければ、自民党はさらに少数となり、野党が反対する法案や予算案の可決・成立は望めなくなる。
野党がまとまって内閣不信任案を提出すれば、直ちに可決され、首相は総辞職か衆院の解散・総選挙を選択しなければならない。政権はあっという間に崩壊するのだ。
選挙事情も深刻だ。日本経済新聞のシミュレーション(10月10日付)によると、公明党の選挙協力がなくなると、自民党は小選挙区の獲得議席が132議席から107議席に減少。逆に、立憲民主党は104議席から124議席に増えるという。
自民党議員にとっては衝撃的な数字だ。国会運営と選挙で自民党が窮地に追い込まれることは間違いない。
今後の政局はどうなるか。まず、10月下旬に召集予定の臨時国会における首相選出が大きな節目となる。考えられるのは3つのシナリオだ。
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