農林中金の「新たな試練」とは? 破綻した米企業の売掛債権を出資先のJA三井リース子会社が保有、JA三井リースが損失を出せば親会社にも影響

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農林中金本店の看板(2025年4月)Photographer: Shoko Takayasu/Bloomberg

農林中央金庫が間接出資する米売掛債権買い取り(ファクタリング)会社が、米自動車部品メーカーの破綻に関連して多額の債権を抱えていることが分かった。経営立て直し中の農林中金にとって新たな試練となる可能性がある。

農林中金と三井物産が大株主であるJA三井リースの完全子会社カツミ・グローバルが、17億5000万ドル(約2700億円)のファースト・ブランズに関連した債権を保有していたことがブルームバーグの報道で明らかになった。同社は先月、米連邦破産法第11条の適用を申請していた。

新たな懸案

現時点でJA三井リースやその株主である農林中金などに損失が生じるかは不明だ。農林中金は、金利上昇により収益性の悪化した外国債券の売却で農林中金は前期(2025年3月期)に1兆8000億円に上る純損失を計上。リスク管理体制の再構築に取り組んでいる最中、新たな懸案が持ち上がった格好だ。

政府の有識者会議は1月、農林中金に対し、市場に精通した社外取締役の登用などを通じてリスク管理体制を強化するよう提言した。4月に新理事長に就任した北林太郎氏の下、同金庫は4-6月(第1四半期)決算で黒字転換を果たしており、通期での黒字確保を目指している。

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