モーター・インバータ・ギアなどを集約する「eアクスル」にも改良を施している。
結果的にシステム出力は、改良前がFWD:150kW/AWD:160kWだったが、これをそれぞれ165kW/252kWまで引き上げた。また、インバータに低損失SiC素子を採用するなどして、パワートレイン全体の損失を低減している。
関連して、AWD制御についても「クルマ主体からドライバー主体」に考え方を改めた。
改良前には車体Gセンサーを活用していた前後Gの制御に、改良後はアクセルセンサを活用。ステアリングの操舵角から車両にかかる横Gを推定して、駆動力を配分する。

バッテリーは、改良前と同じサプライヤーながら別種の電池セルを導入し、電池セルの搭載数を増やして全体の充電量を引き上げた。
航続距離の開発目標値(WLTCモード)は、AWDが改良前の487km(FWDは567km)から622km(同746km)と約20%伸びている。
バッテリーの急速充電性能も向上している。改良前は、EVに対する市場でのデータが少なかったこともあり、電池の安全率をかなり上げていたが、初期モデルでの市場データを集約することで、充電に対するバッテリー側の受入体制を見直した。

さらに、低温時では電池の最適温度に昇温させるプレコンディショニング機能を加え、充電効率を上げている。
スバルのEV戦略はここからだ
ここまで見てきたように、スバルにとってソルテラ改良モデルは、いつどのように市場変化が起こるか見通しがつかないグローバルでのEV市場に対応するためのスターティングポイントなのである。
課題は車両コスト削減や急速充電施設の拡充、普通充電の出力アップなど、社会インフラ整備を含めてさまざまあるが、スバルとしてはトヨタとのアライアンスを最大限に活用した「構え」を築くことが先決だといえよう。

ジャパンモビリティショー2025には、トレイルシーカー(日本仕様)が出展されることも明らかとなり、国内市場でのスバルEV戦略にますます期待が高まる。
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