ただの新型ではない!「ソルテラ改良モデル」スバルEV戦略の出発点となる入魂の中身

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第一印象は「(運転席の)囲われ感が強い」だった。実は改良モデルでは、インテリアの造形が横基調に転換されており、運転席についたときゆったりと広く感じたのだ。

初期モデルでは、独自の世界観を生み出そうとしたのだろうが、結果的に「クルマがお客を選ぶ」ことになったように思える。

インストルメントパネルが水平基調になったと同時にセンターディスプレイをサイズアップしている(筆者撮影)

走り出してみても、先に走った改良モデルとの差は歴然だ。

動的Gと呼ぶ、加速の伸びや抑揚感が少ない。ハンドルの中立付近で電動パワーステアリングがかなり軽く、左右に切り込んだところからクルマが一気に旋回するような感覚だ。

その後はロール量が大きくなり、コーナリング中にハンドルをさらに切り足す必要がある。いわゆるアンダーステア傾向が強い。同乗者は「さっき(改良モデル)と違って、コーナーで身体が外に大きく持っていかれる」と表現した。

以前に乗ったソルテラ改良前モデルの走行カット(写真:SUBARU)

新旧の乗り比べをしてみると、明らかに「改良モデルは別物」だと実感する。

「改良」の範囲を超えたアップデート

紹介する順序が逆になったが、ここでソルテラ改良モデルの商品概要をお伝えする。

商品コンセプトは、「Upscale Practical + 先進的で都会派」と「ユーザーの不安払拭と強みの伸長」の2つとした。

デザインでは、フロントマスクを刷新して都会派の雰囲気を強調。担当デザイナーは「トレイルシーカー、アンチャーテッド、そして北米生産の大型SUVを含めて、ブランドとして統一した表現を持たせながら、モデル毎の商品特性を生かした」という。

「ソルテラ改良モデル」ではフェンダー部分をボディ同色とした仕様も用意(筆者撮影)

シャシーについては、改良という範囲を超えて大きく手を加えている。

理由は複数あり、バッテリーセルを改良して搭載数を増やしたことで、バッテリーパックの横幅が広がったこと、側面衝突時の安全性向上のためクルマの上屋(うわや)の剛性を上げたこと、そして運動性能全体を引き上げることなどが挙げられる。

EV市場では今後、車両性能での競争がさらに厳しくなることは明白であり、スバルはソルテラ改良モデルを含めた4モデルが登場するこのタイミングで、フルモデルチェンジ級のシャシー刷新をトヨタと協議のうえで決断した。

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