スバルの企業規模で「EVの構え」をつくるには、トヨタとのアライアンスによってスバルとしてのリスク(投資)分散を行うことが必要だと指摘する。
そうしたアライアンスEVの中核が、今回のソルテラ改良モデルなのだ。
つまり、このクルマは初代ソルテラのビッグマイナーチェンジという“次元の話”ではなく、スバルとトヨタのEVに対する知見を総動員した新作EVだといえよう。走り始めてすぐに走りの良さを実感するのも当然だ。
「動きの粘り」と「オン・ザ・レール」
井上氏の同乗後は、取材同行者に助手席に座ってもらい、各種の設定変更をしながら周回を重ねた。
走行モードを「POWER」に切り替えて、走りのリズムをペースアップ。アクセルペダルをいっぱいまで踏むと「速い!」と感じる。
速いといっても爆発的というような唐突さではなく、グイグイとクルマ全体の推進力が強い印象を受けた。

システム出力は、改良前の160kWから一気に252kWと1.6倍になっているのだから、パワー差を実感するのは当然だ。
そんな速さがあっても、コーナー入り口でのブレーキングで安心感がある。むろん、路面状況とタイヤ性能の限界を加味したうえで無理はしてはいないが、重いEVにありがちな「止まり切れるのか……」という不安があまりない。
そこからコーナーを抜けていくまでクルマ全体の動きが濃密で、凝縮感が高いといった印象だ。最初にお伝えした“動きの粘り”が、ここにある。
クルマの動きがバタバタとせず、メリハリがある。いわゆる「オン・ザ・レール」という走行感であり、ドライバーとして気持ちが落ち着く。これを「予見性」という言葉に置き換えることもできるだろう。
路面の段差を乗り越える際も、ガツンとくることはなく、ほどよくコトンという感じで乗り心地も良い。
パドルシフトでは、減速時のみならず加速時でも制御が入るため、よりパワフルな走行感が楽しめる。

次に、走行モードを「ECO」と「NORMAL」にして走り比べると、スバルがいう「動的G」の制御などの違いがはっきりわかった。
次いで、改良前の初期モデルに乗った。
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