有料会員限定

基軸通貨となるために必要な条件は何か『とてつもない特権 君臨する基軸通貨ドルの不安』③/カギは制度的裏付けを伴う漸進的な通貨戦略

✎ 1〜 ✎ 56 ✎ 57 ✎ 58 ✎ 59
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

有料会員限定記事の印刷ページの表示は、有料会員登録が必要です。

はこちら

はこちら

縮小
『とてつもない特権 君臨する基軸通貨ドルの不安』バリー・アイケングリーン著
バリー・アイケングリーン『とてつもない特権 君臨する基軸通貨ドルの不安』小浜裕久 監訳/勁草書房
ビジネスに効く名著のエッセンスを識者がコンパクトに解説する。【原則土曜日更新】

戦後のブレトンウッズ体制は、米ドルのみを金と交換可能とするものだったため、ドル1強体制が確立した。しかし1960年代ごろまでは、国際貿易では英ポンドが使われることがあった。ポンドからドルへの基軸通貨の移行には30〜40年、あるいはそれ以上を要したという解釈もある。

現在のドル単一基軸通貨制が、仮にドル、ユーロ、人民元などの複数基軸通貨制に移行する場合、どの程度の時間を要するのか。

基軸通貨となるための時間と条件

英国の通貨覇権のピークは第1次世界大戦が始まった14年だった。大戦が終結した18年には、戦費調達による対外債務の増大もあり英国の経済力は大きく低下。ポンドの信用は傷ついていた。

次ページはこちら
関連記事
トピックボードAD