「自公民」か? 「自公国」か? 立憲民主党"新体制"と"兄弟政党"の相克が暗示する《9月政局》の行方

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今年7月の参院選でもその勢いは止まらず、国民民主党は4議席から17議席と4倍以上に勢力を伸ばした。比例区でも762万0492票を獲得し、739万7456票の立憲民主党を22万3036票も上回った。

一方で、立憲民主党は改選前の22議席を維持したものの、8月26日に公表された立憲民主党の総括文では「(与党の)受け皿としての評価を得られず、野党第一党としての存在感が低下する選挙結果となった」と反省せざるをえなかった。

そして「重大な危機感を持ち、抜本的な体制の見直しを行い、党改革を進めていく」と宣言。そうした決意を表したのが、9月11日に発表した党幹部の新人事だった。

立民の新執行部は第2の「野田・安住・岡田体制」

野田佳彦代表は党の要となる幹事長に衆院予算委員長だった安住淳氏を起用し、政策を担当する政調会長に当選2回の本庄知史氏を抜擢。さらに、広報委員長を新設して、当選2回の渡辺創氏を充てた。野田代表は「政権を獲りにいくための執行部」と胸を張るが、榛葉氏は会見で次のように皮肉っている。

本庄氏と渡辺氏
政調会長に抜擢された本庄知史氏(左)と、広報委員長に就いた渡辺創氏(写真:時事)

「懐かしい面々が並んでいると思ったら、野田総理が増税して解散したときの(内閣の)メンバーがずらっといるんだね。本庄さんを岡田克也さんの分身、渡辺創さんを枝野さんの分身と考えると、これはまさに野田・安住・岡田体制だ。見事に復活したというふうに見えるね」

確かに安住氏は社会保障と税の一体改革関連8法が成立した野田第2次改造内閣で財務相を務め、第2次改造内閣と第3次改造内閣で岡田氏は副総理、枝野幸男氏は経済産業相を務めた。もっとも榛葉氏自身も野田第3次改造内閣で外務副大臣を務めており、まさしく「懐かしい面々」に違いない。だが、それこそが野田氏の狙いだったのではないだろうか。

まずは安住氏の幹事長起用は、早くからささやかれていた。安住氏は傍若無人だが、権力に入り込むのがうまく、“危機の時代”の立ち回りに長けている。とりわけ国会対策委員長時代に自民党の森山裕国対委員長(当時、現在は幹事長)との関係が良好だったことは、大きな強みになっている。

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