限定29台の特別なランボルギーニ「フェノメノ」が作られた背景には「クンタッチ」のDNAがあった

ランボルギーニが同社史上、最もパワフルとうたう「Fenomeno(フェノメノ)」を2025年8月に発表した。
注目点は、フェノメノが代表する「Few Off(フューオフ)」なるランボルギーニの“ビジネス”だ。
高性能を秘めた特別なデザインの車体をもつモデルを、ごく限られた顧客にのみ(おそらくたいへんな高価格で)販売する。

フェノメノについて、デザインを統括したミティア・ボルケルト氏に独占で話を聞くことができた。
「ランボルギーニ・デザインのDNAを守りつつ、いかに特別なモデルを作りあげていくか。ファンにとって、ビーコンのような伝達手段ともいえる存在。そこが、フューオフ・ビジネスにおける肝要な点です」とボルケルト氏は語る。
世界の富裕層が集まる「特別な週末」に
発表の舞台は、カリフォルニア州で8月の週末に開催された「モントレー・カーウィーク」。ロサンぜルスやサンフランシスコ一帯のみならず、世界中の富裕な自動車愛好家が集まる毎年恒例のイベントだ。
カーウィークというだけあって、週末にさまざまな催しが行われる。フェノメノがお披露目されたのは「コンコース・デレガンス」だ。
ゴルフ好きにはよく知られるペブルビーチで、その年のテーマに沿った美しさを持つクラシックカーを選出するコンクール。その場を借りて、世界各地の高級ブランドは、美しいスタイルのショーカーを競うように並べる。
これを楽しみにしているクルマ好きも多い。屋外の自動車ショーのようだ。

実際には、自社のデザインショーケースとばかりに、“デザインを見せるだけ”のコンセプトモデルというケースも多い。しかし、ランボルギーニは違う。
フューオフというコンセプトが示しているように、ごくわずかな台数に絞った展示車両を販売しているのだ。
Fewは「少数」、Offは「量産ラインから外れたモデル」を意味している。超富裕層を相手にしている欧州の高級車ブランドにとって、重要なビジネスだ。ランボルギーニも例外でない。
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