伝統的な商業銀行強みにアジア地域で成長を加速--三菱東京UFJ銀行頭取・平野信行

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この二つが結び付くことで欧米金融機関に引けを取らないサービスが提供できる。海外の成長ではアジアが一つのドライバーになる。基本的にはオーガニックな成長で行きたい。過去3年、毎年10%を大きく超す成長をアジアで遂げてきた。今後もそれを維持、加速させていく。

ソブリン危機の中で銀行の切迫感が低下

--国内市場は貸し出しが伸びず預金が増え続けています。預金が国債投資に回り、保有残高が増え続けるリスクをどう見ていますか。

金融機関は実体経済を映す鏡だといわれる。今の日本では、家計から金融機関を経て政府セクターへ資金が流れている。われわれの国債保有は、そうした資金循環を担う役割を果たした結果でもある。幸い日本の信認は失われておらず、強いホームバイアスを持つといわれる。長期金利の上昇でリスク(保有国債の含み損拡大)が急激に顕在化することはないだろうと見ている。

ただ、日本は今後も少子高齢化が進む。従来の貯蓄超過から、貯蓄率がマイナスになるという事態がいずれ起こるだろう。国内産業の再活性化も重要で、思うように進まなければ経常収支に変調を来すかもしれない。仮にそうしたことが起きれば、将来、金利リスクが顕在化するかもしれない。したがって、そうした場合を含めて「想定外」も想定し、さまざまなシナリオを置いてシミュレーションを行い、備えもしている。

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