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「福山雅治はスケープゴートにされた?」20年前の出来事を今の価値観で断罪していいのか…“不適切会合”報道に抱く《強い違和感》

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  • 木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者
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しかし実際のところ、フジテレビの事後対応やガバナンスに関する調査・検証よりも事実関係、しかもタレントが関わったところばかりフィーチャーされています。

フジテレビのガバナンスや会合に関わる実態解明が十分とは言えない一方、タレント個人の言動に関する実態解明ばかりが求められていることに違和感を覚えてしまいました。

中居さんだけでなく福山さんにまで追及の目が向けられたことが、その違和感を決定的なものにしたと言っていいのではないでしょうか。

もし福山さんが2005年ごろにハラスメントをしていたとしても、被害を訴える人がおらず、20年前のことである以上、その優先順位が高いとは思えません。それ以上に実態解明すべきはフジテレビの会合そのものであり、特に中居さんの問題が発生した2023年6月につながる近年の流れでしょう。

調査期間が短かったのであれば4月以降も継続調査があってしかるべきであり、少なくとも福山さんの件より重要度は高いことは明白です。

そしてこの件で重要なのは、フジテレビの会合はタレントが出席するものだけではないこと。

自社内の会合、スポンサーとの会合、広告代理店との会合、芸能事務所上層部との会合などで女性アナウンサーや女性社員を伴うものはなかったか。そこで性加害はなかったか。福山さんと同等レベルの性的内容を含んだ発言をした人はいなかったか。

これらの話がほとんど出てこず、タレントに関わる20年も前の話だけが抽出されていることに不自然さを感じてしまいます。

「スケープゴート」にされるタレント

フジテレビの社員を見ても、上層部だけの責任を問うのではなく、その部下たちがどのような形で会合に関わっていたか。タレント以外の接待にも問題はなかったか。今後に向けてどんなところを改善すべきか。

これらが十分に議論されることはなく、話題の中心は中居さんの問題に移り、さらに福山さんの名前が浮上。まるで「ネームバリューのある人物に焦点をずらすことで本質を遠ざける」ような形になっていることに気づかされます。

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【信用できない“不信”の声をメディアに突きつけるタイミング】

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