「福山雅治はスケープゴートにされた?」20年前の出来事を今の価値観で断罪していいのか…“不適切会合”報道に抱く《強い違和感》

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なかにはWHOが掲げる性暴力の解釈を持ち出して批判する人もいますが、それだけで両者の行為を同列で見ようとすることには無理があります。

行為の内容はもちろん、自ら被害を訴えている人の有無だけを取っても大きな差があり、福山さんと所属事務所の対応を見ても社会的な制裁を受けるべきところは見当たりません。

今なお不快に思い、苦しみを訴えている人がいるわけではないのに、それでも批判する人は誰のために何を求めているのか。あまり考えずに叩こうとしているだけのように見えてしまいます。

さらに中居さんを断罪するレベルで福山さんを見ることへの疑問を感じさせられるのは、行為の時期。20年前にあたる2005年の出来事を現在の価値観ではかろうとする声に、形容しがたい生きづらさのようなものを感じさせられます。

20年前はどんな価値観の世の中だったのかを覚えているのか。自分がどんな行為をしていたかを思い出せるのか。現在ではハラスメントに該当することをしていなかったか。これらをすべてクリアに語れるほど清廉潔白な人はあまり多くないでしょう。

もし20年前の会合でした発言を謝らなければいけない社会なのだとしたら、あまりに息苦しくて生きづらいのではないでしょうか。

第三者委員会の報告書
フジテレビの第三者委員会が報告書に掲載された、福山さんと見られる「男性有力番組出演者」についての記述(画像:フジテレビ公式サイトより)

福山さんをかばう気持ちはありませんが、当時すでに下ネタを話すキャラクターは一定の認知があり、特にテレビやラジオ関係者の間ではそれが浸透。

福山さんは関係者やファンなどの期待に応えようとしていたところや、下品な一面を出すことで「抱かれたい男ランキング1位」などモテモテ状態とのバランスを取っていたようなところもありました。

さらに福山さんの下ネタはほぼ独身時代のものであり、結婚後は言わなくなっていたと言われています。つまり、プライベートの変化に合わせただけでなく、時代にも合わせて自分をアップデートしていたということ。

これらの背景を考慮してもらえず過剰に叩かれてしまうところに、タレントという職業の難しさが表れています。

福山雅治さんだけピックアップされた“不自然”

令和の現在も、メディアや芸能界に限らず多くの企業に取引先との会合はありますし、mixiなどのSNSが浸透しはじめた20年前はプライベートも含めて「もっと多かった」という印象があります。

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