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<独占インタビュー>「採用率は2%以下」「人材派遣は絶対にやらない」、ベイン・アンド・カンパニーのアジア新トップが語る成長要因と採用戦略

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――具体的に多い案件の内容は?

課題の一つとして大きいのが、資本市場からのプレッシャーだ。過去10年で、日本ではアクティビスト(物言う株主)の投資額や株主提案数は大きく増加しており、経営者が直接株主と向き合う必要性が高まっている。アクティビストが介入したことをきっかけに、これまで実現できなかった事業売却や、(リストラなどの)難しい経営判断が実行されるケースが多く、その意思決定の部分にわれわれは関わっている。

もう一つの課題が、デジタル・AIを活用した抜本的な業務改革だ。企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)は、従来のPoC(Proof of Concept、概念実証)にとどまらない、企業の本業そのものや、既存ビジネスのやり方そのものを抜本的に変革すべきフェーズに移行している。

奥野慎太郎(おくの・しんたろう)/産業財・自動車、物流、テクノロジー、消費財、小売など多岐にわたる業界において、大規模な企業変革プロジェクトを主導。2014年から2021年まで日本代表を務め、2022年からは同会長、2024年からはグローバル取締役会メンバーを歴任し、2025年7月1日よりアジア太平洋地域代表に就任。京都大学経済学部卒業、マサチューセッツ工科大学スローン経営大学院経営学修士課程(MBA)修了。東海旅客鉄道株式会社(JR東海)を経て、2003年にベインに入社(撮影:今井康一)

たとえば、自動車保険の事故対応プロセス。保険会社は、事故が実際に発生した際の対応に多大なコストと人員を投入しているが、顧客満足度を高めるためには対応時間の短縮がカギとなる。

具体的には、事故現場の写真を活用するなどして、事故の重大性を初期的に仕分けし、デジタルで対応可能な部分は自動化が求められる。AIエージェントが状況判断に基づき、オペレーターに対してアドバイスを提供することもできるようになる。

その一方でコールセンターの運営、人員配置、そして従業員の評価基準といった組織全体の変革が必要となる。ベインではこのように、IT投資だけでなく、組織のオペレーション改革全体を支援している。

採用基準の高さと質を重視

――規模拡大に伴う、採用戦略はどうなっているのでしょうか?

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