横浜地下鉄ブルーライン「延伸」恩恵あるのは誰か 開業に向け「少しずつ前進」何がどこまで進んだ?
注目すべきは「ブルーライン延伸後の利用意向」という項目で、回答者の約55~60%が「現在のサービス水準であれば(地下鉄を)利用する」、また25%程度が「現在のサービス水準以上であれば利用する」と回答している。

現在のサービス水準とは、具体的にはバスとの比較においての運賃や運行本数を指すのだろう。地下鉄利用を促すには現行のバスと同程度の運賃水準に抑えるのが条件ということになりそうだ。ちなみに小田急バス「新23系統」は、240円の均一運賃である。
続けてアンケート結果を見ていくと、延伸区間には「嶮山(けんざん)」付近、「すすき野」付近、「ヨネッティー王禅寺」付近という3つの途中駅が設置される予定(いずれも仮称)だが、このうち最も利用が見込まれそうなのは嶮山駅である(ヨネッティー王禅寺=川崎市立のプール・シニア向け休養施設の名称)。
通勤通学より「買い物需要」?
そして、ブルーライン延伸後の「利用目的」を見ると、「買い物」が2590票で1位となっており、2位の「通勤・通学」の1377票を大きく引き離している。すすき野団地、虹ヶ丘団地などからあざみ野駅・新百合ヶ丘駅への通勤・通学需要は相当にありそうだが、それを上回る買い物需要があるというのは意外である。

嶮山駅予定地付近には「あざみ野ガーデンズ」という中規模のショッピングモールがあるほか、中間駅からブルーライン・田園都市線を乗り継いで、たまプラーザ駅などの大規模ショッピング施設へ買い物に出かける需要が相当にあるのだろう。
なお、アンケート結果には表れていないが、川崎市域に設置される予定のヨネッティー王禅寺駅付近には田園調布学園大学があり、教職員・学生の一定の利用が見込まれるほか、かわさき記念病院、少し距離は離れているが聖マリアンナ医科大学病院などもある。
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