企業タイアップ型O2Oで新市場を拓いた「ケータイ国盗り合戦」《O2Oビジネス最前線・黎明期を迎えた新・消費革命》


マピオンでは、年に1回、キャンペーンで全国制覇を達成したユーザーを無料招待したイベントを実施している。今年は、3月10日に新宿のパークタワーホールで行われ、ユーザー約300人が参加した。加藤氏や佐藤孝也社長らは、本物の鎧兜を身に着け戦国武将になりきってイベントを盛り上げた。

今年は、特別に7月にも同様のイベントを開催する。

「生のユーザーの声を聞く。リアルにユーザーはどういうふうに行動するのか、どんな思いや感想を持っているかを、知る必要がある。そうじゃないとO2Oとは呼べない。それを知るためには、絶対大事なイベント」と、武将姿に扮した加藤氏はほほ笑む。

事実、イベント会場のユーザーの1人に話を聞いてみたところ、

「夏のキャンペーンの新機能『あいのり』は画期的だ。自分が移動しなくても他のユーザーに相乗りして楽しめる。賛否両論はあるとは思うが、参加する敷居が下がり、ゲームの活性化につながった」
 
 と冷静な分析が返ってきた。

熱狂的で良質なファンとのリアルのコミュニケーションが、ゲームの内容を向上させる正のスパイラルを生み出している。

ユーザー同士が接点を持つことでファンコミュニティが発生する。ゲーム自体の熱量が上がり活性化する。

日本航空インターナショナルとのキャンペーン「ぐるり!沖縄」は、11年1月から6月まで実施。沖縄本島から離島まで、5カ所を巡り、スタンプを獲得する。期間中に8500人が沖縄に訪問した。沖縄1泊2日の弾丸ツアー(料金3万8000円~)には、580人が参加した。

NTTドコモとのタイアップ、「世界マジカル大冒険」は、日本だけでなく、世界29カ国に拡大したスタンプラリーだ。11年9月8日から始まり12年9月7日まで1年間実施され、現在、すでに33万人が訪れている。12年5月には、ロンドン、パリへ滞在する5泊6日のオリジナルツアー(料金25万円~)をJTBと企画し、3月26日から募集を開始した。

ケータイ国盗り合戦のファンの行動力は、驚異的だ。

マピオンは、「ユーザーの熱狂度をいかに高めるか」に主眼を置いているように見える。それはなぜか。

「O2Oを考えたときに、オンラインから始めるのではなくて、オフラインに行ってもらうことから考えてきた。ただのゲームではない。ゲームをきっかけに行ってもらうことを実現したいわけだから、とにかく『夢中』になってもらうことを考えた」(加藤氏)。

“おでかけ”でどう収益化するか

06年、「ケータイ国盗り合戦」は、インターネットの地図情報検索サイトを提供するマピオンの持つ課題から生まれた。

マピオンは、1997年に日本で初めてインターネットの地図情報サービスを始めた老舗のネット企業だ。凸版印刷やNTTグループ、ヤフーなどの合弁企業として、地図上に店舗や施設などの広告を表示する事業でスタートした。

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