〈開業から1週間〉話題沸騰「ジャングリア沖縄」のアトラクションが「300分待ち」になる根本原因
「都会にある大きな鉄とコンクリートをふんだんに使って造られたテーマパークとはまったく違う」(森岡氏)とし、ゴルフ場跡地の環境や地形、自然を生かしたテーマパークに仕上げた。
「300分待ち」。7月28日午後、開業して初の月曜日。公式アプリには「ダイナソー サファリ」が5時間待ち、「ファインディング ダイナソーズ」が4時間待ちと表示された。空中でスリルを楽しむアトラクションはいずれも整理券発券終了か運休中となっていた。ほかの平日も似た状況だ。
開業したばかりで運営に不慣れという要因もあるが、待ち時間が長くなりやすい構造となっている。少人数体験のアトラクションが多く、自動化されていないため、いわゆる顧客回転率を上げにくいことが背景にある。
時間効率が悪いアトラクション
例えば「ダイナソー サファリ」では、体験中にゲストが下車する場面がある。桜美林大学副学長の山口有次教授(テーマパーク論)は「途中で降ろして乗せて、シートベルトを付けさせて生まれるロスで時間効率を悪くしている。下の位置から見せたいことは理解できるが、乗ったままでもやれたのではないか」と指摘する。
「ファインディング ダイナソーズ」では、ナビゲーターがゲストに同行して迷子の恐竜を探す。マシンに乗って進むアトラクションではないため初期投資を抑えられるものの、人手が必要になる。
ジップラインなどスリルを楽しむアトラクションについても「全般的に時間効率が悪い。自然公園などでは有効に機能するアトラクションだが、多人数を乗せて回すことには向いていない。スリル系は間違いなくほしいが、別のものでキャパシティを満たさないといけない」(山口教授)。
ジャングリアをめぐっては、沖縄北部の観光振興など社会的な意義は大きいものの、那覇空港から距離があり、周辺の宿泊施設の受け皿不足といった課題を抱える。そうした環境下で成功軌道に乗せられるかは、運営会社の筆頭株主として主導する刀の「運営力」にかかっている。
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