【50年以上前のビンテージ輸入バイク、2200万円でも納得の理由】ドゥカティが誇る名車、1974年式「750スーパースポーツ」の持つ歴史的価値

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メリットは、とくに高回転域で吸・排気バルブの作動を確実に行えることで、高性能なスポーツモデルのエンジンにマッチする機構だといえる。ドゥカティは、このシステムを独自技術でアップデートしながら長年使い続けており、同社によれば、現在「世界の2・4輪メーカーで、デスモドロミックを主要技術として採用しているのはドゥカティのみ」だという。

車体には、今のドゥカティで定番といえる格子状のトレリスフレームではなく、一般的なダイヤモンドフレームを採用。ただし、このモデルでは、フレームのパイプがレーシングマシンと同じグリーンに塗装されていることから、通称「グリーンフレーム」とも呼ばれている。また、燃料タンクは軽量なグラスファイバー製で、イモラ200マイルで優勝したレーシングマシンと同じ形状を採用することで「イモラタンク」という愛称で呼ばれているようだ。

ほかにも、ボラーニ製スポークホイール、スカラブ製ブレーキキャリパーなど、欧州の歴史あるパーツメーカーの部品を装備。これらにより、レース直系のスペシャルなバイクであることをアピールしている。

750SSの後継機種

同じく会場に展示されていた1975年式の「900スーパースポーツ」。価格は1100万円
同じく会場に展示されていた1975年式の「900スーパースポーツ」。価格は1100万円(筆者撮影)

750SSは、その後、前述のとおり、1975年に900cc版の「900スーパースポーツ(以下、900SS」)も追加。1986年式では900SSと750SSの両方で、燃料タンクをグラスファイバー製から鉄鋼製に変更するなど、年々アップデートを実施した。1989年には2代目が登場し、900ccの「900SS」を頂点に、750cc版の750SS、600cc版の「600SS」なども登場。さらに日本市場向けには、排気量400ccの「400SS」も投入。バイクブーム真っ只中だった当時、取得者数が多かった中型限定二輪免許(今の普通二輪免許)でも乗れるモデルで、輸入車としては大きなヒットを記録。ドゥカティの名前を一躍国内に広める立役者にもなった。

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