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これまでと変わった台湾の軍事演習。都市を舞台に地下鉄、バス、学校、通勤路など日常空間が戦場になる現実を突きつけた

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演習の中でも特に象徴的だったのが、台北中枢の防衛を担ったのが憲兵部隊だったことである。彼らは平時には政府機関の警護や要人警備を任務とする軽装備部隊であり、戦場を機動的に展開する野戦部隊とは異なる性格を持つ。

特に、今回は軽装備ゆえの戦闘力不足を補うように、市街地そのものを防御陣地化する工夫が加えられた。また、警察・消防・民間団体も動員され、都市防衛が「軍だけ」のものではないことが演出された。

都市空間の中で、誰がどこを守るのか。今回の演習では、野戦部隊に比べて装備の劣る憲兵が、軽歩兵として昼夜を問わず市街地を防衛する姿を市民に「見せる」ことに意味があった。憲兵部隊の展開は、政経中枢の市民を安心させる政治的なメッセージを強く発信していた。

大規模動員で求められる企業と社会の対応

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