新作「スーパーマン」へのポリコレ批判は筋違い 大コケ「白雪姫」とは違う、保守派が知らないスーパーヒーローの「原点」とは?
「Pulp Empire: the Secret History of Comic Book Imperialism」の著者ポール・S・ハーシュは、BBCの取材に対し、「彼は暴力的な社会主義者だった」と述べている。
当時のスーパーマンは左派の改革者で、抑圧された弱者のために立ち上がる存在。初期のコミックには、そのような状況が多数描かれていたのだが、第二次大戦が始まると、もっと愛国心を見せるようになる。時代の風潮に合わせたというのもあるし、シーゲルとシャスターが権利をDCに売ってしまっていたという事情もあった。
トランプと彼の支持者が懐かしがる1950年代以降のスーパーマンを『正しい』と信じてきたなら、そこは不都合な真実かもしれない。だが、その「正しい」スーパーマンですら、他の星からの移民なのだ。
いや、赤ちゃんだったとは言え、ビザも何もないのに勝手に国境ならぬ空の向こうから送り込まれてきたのだから、正確には不法移民。そこは一度も変わっていない。だから、保守の人たちは、怒るのならば、ガンのバージョンだけでなく、スーパーマンすべてをボイコットするべきだ。
レビューサイトでは好評価
いずれにせよ、この論争が興行成績に影響を与える影響はかなり限られると思われる。レビューサイト「Rotten tomatoes」によれば、現状、批評家の84%、観客の96%が、この映画を好意的に受け止めているのだ。
予想通りのヒットとなれば、それこそ移民のサクセスストーリー。続編も作られ、ますますビッグスクリーンで暴れ回ることだろう。その時、保守派はまたわめくのだろうか。
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