社会はすでに変化している、「オンラインの学校が本流というだけ」/『教育ZEN問答 N高をつくった僕らが大学を始める理由』川上量生氏に聞く

──本書をどのような人に読んでほしいですか?
教育業界関係者に読んでほしい。この業界は少し排他的で、外部からの参入には厳しい目があると感じている。ZEN大のように民間企業が教育に参入することを、「教育への利益至上主義の持ち込み」だと見なす批判は今後も少なくないだろうと予想している。
本書は前半でN高を取り上げ、オンライン教育の実績を詳しく紹介している。ドワンゴの歩みにも触れ、ZEN大がこれまでのわれわれの活動の延長線上にあることを示した。業界関係者が抱く「金儲けだけが目的だろう」という懸念に対し、「実際は違うんです」というメッセージを伝えたい。
──N高の実績、異業種からの大学参入という2つの面で、開学前から注目を集めていました。
大学参入に際しては、さまざまな批判を受けると考えていた。そこで、まず「非常識な規模の投資をする」と決めた。「儲け主義」は的外れだとわかってもらえるように、採算度外視で投資した。
結果として、業界関係者や文部科学省に「新しいことをやろうとしている」という認識を持ってもらうことはできたのではないか。反発や嫌がらせも直接にはなかった。N高含め、「儲け第一のビジネスとは違う」と示してきたことが大きかったと考えている。
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