〈インタビュー〉マーケティング会社「刀」の森岡毅CEOに「ジャングリア沖縄の開業」「イマーシブ・フォートでの試行錯誤」を聞いた

――ジャングリア沖縄は約700億円をかけて開発していますが、ほかのテーマパークと比べると金額が少ないです。
700億円ではユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)や東京ディズニーランド(TDL)も造れない。超大規模なライドアトラクションがたくさん入った超巨大戦艦みたいな「バトルシップテーマパーク」も素晴らしいが、ジャングリアは違う。
仮に似たようなものを沖縄に造っても、週末に行けるものに貴重な数日間の滞在時間を割かない。沖縄に来る人の大半はアジア圏の大都市からで、その大都市にはだいたいバトルシップテーマパークに近いものがある。違うものを造らないと成功しない。
環境と地形、もともとあった自然という特徴を利用することで、700億円を高級感や装置を造るところに集中して使える。土地を平らにすることにお金を使うのではなく、起伏を生かしてバンジージャンプをできるようにしたほうが面白い。デッキを造れば高低差で絶景を見せることができる。
地形や自然を生かしたのは、大自然の中でのバケーションを人々が望んでいるからだ。突くべき本能は「興奮」「贅沢感」「開放感」。この3つを求めてみんな南国リゾートに行きたがる。この3つが最高に叶う、テーマパークを設計した。
ジャングリア沖縄の成功確率は73%
――ジャングリアへのアクセスの対策が必要で宿泊施設も不足しています。ジャングリアが成功すれば事業者が集まるのでしょうか。
おっしゃるとおり。ジャングリアが成功すると、ポジティブな連鎖が起こる。
ここに投資しても、「那覇から1.5時間かかる沖縄北部にテーマパークを造って成功するのか」とみんな思っている。私の答えは「需要に応じた、コンセプトの強さに応じた範囲内で投資をコントロールできたならば成功する」。
今、自分なりに成功確率を計算したらだいたい73%だ。残りの3割は今想定できていないファクターで、災害や運営のクオリティーだ。パークはまだ開いていないため、現場の経験値が足りない。運営の平均レベルを高い状態にできなければ成功は難しい。
――7割程度の成功確率でチャレンジすることはこれまでにありましたか。
(ジャングリアのほかにも)もっとある。刀の成り立ちをかいつまんで説明すると、大きく2つのポートフォリオがある。1つ目はマーケティング支援サービス。クライアントのビジネスを預かるため、リスクを取ることは必要でない限り、できるだけやらない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら