『ドールハウス』『恐い間取り』『近畿地方のある場所について』『8番出口』など注目作がゾクゾク公開!「令和ホラー」ブームはなぜ起きた?

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ドールハウス
長澤まさみ主演『ドールハウス』が口コミでじわじわ広まっている(出所:東宝MOVIEチャンネル)

長澤まさみ主演のホラーミステリー映画『ドールハウス』が、いま映画ファンをざわつかせている。『国宝』『リロ&スティッチ』『フロントライン』といった大スケール作品がランキング上位を占める中、口コミで評価を伸ばし続け、大健闘中だ。

原案・脚本・監督を手がけたのは『ウォーターボーイズ』(2001年)、『スウィングガールズ』(2004年)、『ハッピーフライト』(2008年)などの矢口史靖監督。

コメディの名手として知られる矢口監督だが、元々怖いもの好きだそうで、長年の構想を経て完成させたのがこの『ドールハウス』だという。本作を観てその熱量をひしと感じた。コメディ要素を封印した矢口監督による、正真正銘、傑作ホラーの誕生である。

最初は正統派の人形ホラーに見えたが…

5歳の娘を亡くした鈴木佳恵(長澤まさみ)は精神的にふさぎ込み、深い喪失感を抱えながら日々を過ごしている。ある日、亡くなった娘と背格好の似た人形を骨董市で見つけ、愛情を注ぐように。

娘の洋服を着せ、娘の髪型とお揃いにした人形を連れて出かける佳恵の様子は、なにも知らない人からするとやや奇妙。だがそんな毎日には“ドールセラピー”(ペットロスをぬいぐるみが癒やすのと同じように)としての効果があり、彼女は徐々に本来の明るさを取り戻していく。

しばらくすると、夫・忠彦(瀬戸康史)との間にめでたく次女・真衣が誕生し、鈴木家は幸福感に包まれる。人形はかつての役目を失い、クローゼットの奥で眠ることとなった。――お察しのとおり、物語はここからが本番だ。

 主人公は娘を亡くした悲しみから、人形をかわいがるように(出所:東宝MOVIEチャンネル) 
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