「本を出しませんか?」→「なぜか1000万円も自分で払う羽目に…」 中小企業の社長がハマる「自費出版」の"落とし穴"

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カフェでパソコンを使う男性
自費出版、テレビ出演……PR効果はあるのでしょうか(写真:shimi/PIXTA)
「素晴らしい商品や実績をつくった『後』で、多くの人に知ってもらうためのPRに力を入れよう!」。これが「世間一般」の常識です。しかし、「成功者の常識」は正反対で、まず、「一流」と見られるようにPRに注力します。
では、「自費出版」や「テレビ出演の誘い」にはどう向き合うべきか…。PR戦略コンサルタント・下矢一良氏の新著『ずるいPR術』からお届けします。

社長の心理につけ込んでくる自費出版

「自分の本を出した」と聞くと、だれでも「すごいな」と思うのではないでしょうか。

あるいは、「自分の半生を本にして出版したい」と思っている人も少なくないのでは? しかし、そういう人の心理につけこんだ悪質な自費出版ビジネスもありますから、要注意です。

出版には大きく分けて、商業出版と自費出版があります。商業出版とは、出版社が著者に依頼して原稿を書いてもらい、出版費用をすべて負担して書籍化する方法です。出版社が編集、印刷、流通、販売までを担当します。著者が費用を負担することは原則ありません。むしろ、印税を受け取ることができます。

自費出版は、著者自身が出版費用を負担して本を制作する方法です。印刷、編集、デザインなどの費用を著者が負担します。

商業出版の場合は、出版社も本が売れないと商売にならないので、編集者をつけて売れる本づくりをサポートしてくれます。営業や販促にもそれなりに力を入れてくれるので、全国の書店で取り扱われることになります。

一方、自費出版は、出版社側はすでに著者自身が払う費用によって利益を確保できているので、懸命に売る必要はありません。編集者のサポートは限定的で、販促もたいていは著者の努力次第となります。放置プレイとでも言いましょうか。

メリットは「自由に書かせてくれる」こと。と言うと聞こえはいいですが、実際は、出版社は別に売れなくてもいいので、内容にそこまでコミットしないだけのことです。

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