列車の扉1か所ほぼ全開、2分半にわたり700m走行。「通常はありえない事態で、大変驚いた。鉄道の安全対策の抜け穴が浮き彫りになった」

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列車に乗務していた男性運転士(23)(乗務歴3か月)と男性車掌(21)(同1年)は地鉄の聞き取りに、いずれもランプを確認したと回答。ただ、ランプに不具合はなかったとみられ、地鉄は「見間違いや見落としの可能性がある」とする。

さらに、運転士は朝菜町駅でブレーキを緩めて発車しようとした際、うまく加速できなかった。安全装置が作動していたためとみられるが、運転士は、列車を止めなかった。地鉄によると、朝菜町―南富山間は下り勾配で、列車は自然に加速したとみられる。運転士は、うまく加速できなかった時点で、列車を止めて点検する必要があった。

トラブルを把握後、地鉄は全列車の扉を点検。異常はなく、異物が挟まって閉まらなかった可能性も視野に調査している。

関西大学の吉田 裕(ゆたか) 教授(交通システム安全論)は「運転士と車掌の双方ともに基本動作を怠り人為的ミスをしたことは問題だ」と指摘。一方、人為的ミスは避けられないとし、「今回は悪条件が重なった結果で、全国の事業者も学ぶべき事案。下り勾配で意図せず列車が加速しない安全対策が必要だ」と述べた。

地鉄は17日に国土交通省北陸信越運輸局に報告し、運輸局は原因究明と再発防止対策の検討を指示した。地鉄は「あってはならない事案。再発防止を徹底する」とコメントした。

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