「早く来なさい」より圧倒的に効果的な“ある言葉”とは?命令ではなく「自分で決める余地」を残した声かけが自ら動き出す意欲を高める!

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筆者が9年間主宰しているカフェスタイル勉強会「Mama Cafe」では、これまで累計1万5千人の母親から相談を受け、回答してきました。その中で気づいたことは、「早く」という言葉を使い続ける親御さんほど、子どもとの関係にストレスを感じているということでした。

「早く」という言葉は、実は親自身の焦りや不安の表れでもあります。しかし、この言葉が子どもの行動を促進することはなく、むしろ親子関係を悪化させる要因となってしまうのです。

子どもが自主的に行動する魔法の言葉

そこで筆者がお勧めしているのが「先に始めてるね」という声かけです。この言葉には、子どもの自発的な行動を促す不思議な力があります。

例えば次のような言い換えをしてみてください。

・朝の支度の時間:「早く服を着なさい」→「ママ、先に服を着てるね」
・食事の時間:「早く食べなさい」→「先に食べ始めてるね」
・片づけの時間:「早く片づけなさい」→「先に片づけ始めてるね」

この小さな言葉の違いが、子どもの行動に大きな変化をもたらします。では、なぜ「先に始めてるね」が効果的なのでしょうか。実はこの言葉には以下のような心理的メカニズムがあります。

1. 選択権の保持

「先に始めてるね」には「もう始めてもいいんだよ」という軽い提案が含まれており、子どもに選択権を与えています。命令ではなく、自分で決める余地を残した声かけが、子どもの自主性を尊重し、自ら動き出す意欲を高めるのです。

2. 模倣本能の活用

人間には自然な模倣本能があります。特に子どもは、親の行動を見て学習します。親が実際に「先に始める」姿を見せることで、子どもは自然とその行動を模倣しようとします。

3. 競争心理の活用

「先に始める」という言葉は、直接的な競争を促すのではなく、子どもの中にある「一緒にやりたい」「負けたくない」という自然な気持ちを引き出します。

筆者のこのような言い換え提案を実践した家庭では、以下のような変化のパターンが見えてきました。

1週目:様子見の期間

最初の1週間は、子どもはこの新しい声かけに戸惑います。これまでのパターンとは異なるため、違和感を感じている段階です。ですから、すぐには反応しません。しかし、親が実際に行動している姿を見て、徐々に関心を示し始めます。

2週目:模倣の始まり

2週目に入ると、子どもは時々親の行動を模倣するようになります。まだ一貫性はありませんが、自発的に行動する瞬間が増えてきます。

3週目以降:習慣化

3週目を過ぎると、多くの子どもが自然に行動するようになります。親が「先に始めてるね」と言うと、子どもも一緒に行動することが習慣化されてきます。

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