大阪万博でイタリアと日本の職人文化を比較。グラフィックデザイナー原研哉氏らが語った両国ものづくりの“共通点”そして“違い”とは

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イタリアパビリオンでのシンポジウムはゲストも豪華で、大阪・関西万博イタリア政府代表のマリオ・ヴァッターニ大使を筆頭に、駐日イタリア大使のジャンルイジ・ベネデッティ氏、下院文化委員会委員長のフェデリコ・モリコーネ氏、イタリアトップブランドが所属するアルタガンマ財団のマッテオ・ルネッリ会長、上述のコンファルティジャナートのマルコ・グラネッリ氏といったメンバーに加え、自動車デザイナーとして世界的に有名なファブリツィオ・ジウジアーロ氏と奥山清行氏や冒頭で紹介した原研哉氏、また日本在住のイタリア人シェフとして初めてミシュラン一つ星を取得したルカ・ファンティン(Luca Fantin)氏や金沢の料亭「銭屋」の主人で海外のテレビ番組などへの出演も多い料理人の高木慎一朗氏、宝石ブランドポメラート社CEOのサビーナ・ベッリ氏、そして三越伊勢丹グループ マーチャンダイジング部長の宍戸賢太郎氏らが登壇。

世界最大のデザインイベント、ミラノサローネ会長のマリア・ポーロ氏もオンラインで参加し、両国の職人文化やものづくりについて、幅広い議論が展開された。

デザインとものづくりの違いは職人の社会的地位

シンポジウムでは3つのパネルディスカッションが行われた。最初のセッションのパネリストは自動車デザイン界の巨匠ファブリツィオ・ジウジアーロ氏、デザイナーの原研哉氏、カーデザイナーの奥山清行氏。両国のデザイン、ものづくり、そして相互学習の可能性について議論が交わされた。

原研哉 奥山清行 ファブリツィオ・ジウジアーロ カルロ・マッローニ
左からグラフィックデザイナーの原研哉氏、流暢なイタリア語を話すカーデザイナーの奥山清行氏、日本とも関係が深い自動車デザイナーのファブリツィオ・ジウジアーロ氏。一番右は3つのパネルでモデレーターを務めたイタリアの経済紙「イル・ソレ24オレ」のカルロ・マッローニ氏(筆者撮影)

13歳だった1978年に父の仕事で日本を訪れたというジウジアーロ氏は、その頃から日本との深いつながりを持っている。自身のキャリアにおける成功の多くが日本での活動、特に日本の自動車メーカーであるトヨタやスズキとの仕事を通じたものだと強調した。

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