だが今のところ、スケボー型シャシーの自動車メーカーへの売り込みはCATLの期待通りには進んでいない。財新記者の取材に応じたある自動車メーカーの技術責任者は、その理由を次のように説明した。
「自動車メーカーの社内では、プラットフォームはクルマの(基本性能を決定づける)『魂』であるという考え方が根強い。それゆえ、開発の主導権を他社に握られることを望まない」

これまでにCATLのスケボー型シャシーの採用を表明した自動車メーカーは、いずれもCATLの資本提携先だ。例えば、その1社である長安汽車傘下の新興EVメーカー「阿維塔科技(アバター・テクノロジー)」に対して、CATLは約9%を出資している。
次期新型車の開発コスト圧縮
今回の長安マツダとの提携は、CATLにとってスケボー型シャシーに関する外資系合弁メーカーとの初の協業プロジェクトとなる。両社の間に資本関係がないことも、ひとつの進展と言えそうだ。
長安マツダがスケボー型シャシーの採用に踏み切った裏には、中国市場におけるマツダ車の販売低迷がある。長安マツダの2024年の販売台数は7万5600台にとどまり、前年比14.2%減少。2025年に入ってからも、1月から4月までの累計で2万4000台と前年同期比5%のマイナス成長が続く。

そんななか、マツダは中国市場の急速なEVシフトに対応するため、中国企業が持つ技術リソースを積極導入する戦略に転じた。例えば、長安マツダが2024年10月に発売した新型EV「EZ-6」は、合弁パートナーである長安汽車のプラットフォームをベースに開発された。
長安マツダにとって、業績不振による開発予算不足は大きな課題だ。そこでCATLのスケボー型シャシーを活用し、次期新型車の開発コストの大幅な圧縮を目指しているとみられる。
(財新記者:安麗敏)
※原文は5月13日に配信
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