マツダの中国合弁が「スケボー型シャシー」採用へ 電池大手のCATLと提携、外資系メーカーでは初

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だが今のところ、スケボー型シャシーの自動車メーカーへの売り込みはCATLの期待通りには進んでいない。財新記者の取材に応じたある自動車メーカーの技術責任者は、その理由を次のように説明した。

「自動車メーカーの社内では、プラットフォームはクルマの(基本性能を決定づける)『魂』であるという考え方が根強い。それゆえ、開発の主導権を他社に握られることを望まない」

マツダは中国企業のEV技術を積極的に導入している。写真は長安汽車のプラットフォームをベースに開発した「EZ-6」(右)と2025年8月に発売予定の「EZ-60」(長安マツダのウェブサイトより)

これまでにCATLのスケボー型シャシーの採用を表明した自動車メーカーは、いずれもCATLの資本提携先だ。例えば、その1社である長安汽車傘下の新興EVメーカー「阿維塔科技(アバター・テクノロジー)」に対して、CATLは約9%を出資している。

次期新型車の開発コスト圧縮

今回の長安マツダとの提携は、CATLにとってスケボー型シャシーに関する外資系合弁メーカーとの初の協業プロジェクトとなる。両社の間に資本関係がないことも、ひとつの進展と言えそうだ。

長安マツダがスケボー型シャシーの採用に踏み切った裏には、中国市場におけるマツダ車の販売低迷がある。長安マツダの2024年の販売台数は7万5600台にとどまり、前年比14.2%減少。2025年に入ってからも、1月から4月までの累計で2万4000台と前年同期比5%のマイナス成長が続く。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

そんななか、マツダは中国市場の急速なEVシフトに対応するため、中国企業が持つ技術リソースを積極導入する戦略に転じた。例えば、長安マツダが2024年10月に発売した新型EV「EZ-6」は、合弁パートナーである長安汽車のプラットフォームをベースに開発された。

長安マツダにとって、業績不振による開発予算不足は大きな課題だ。そこでCATLのスケボー型シャシーを活用し、次期新型車の開発コストの大幅な圧縮を目指しているとみられる。

(財新記者:安麗敏)
※原文は5月13日に配信

財新編集部

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Caixin

2009年設立の財新は中国の経済メディアとして週刊誌やオンライン媒体を展開している。“独立、客観、公正”という原則を掲げた調査報道を行い、報道統制が厳しい中国で、世界を震撼させるスクープを連発。データ景気指数などの情報サービスも手がける。2019年末に東洋経済新報社と提携した。(新型肺炎 中国現地リポート「疫病都市」はこちらで読めます

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