飽和するコンビニを尻目にイオン系「まいばすけっと」が首都圏でなぜか爆増している理由

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縮小

この寡占化の流れは地方でも加速している。クルマ社会化が進んだ郊外では、人口減少による市場縮小に加え、幹線道路沿いに広い駐車場を備えた大型スーパーが、中心市街地や住宅地の中小スーパーを閉店に追い込んでいる。

そのため、地場の老舗スーパーが徐々に姿を消している。店が閉店しても、クルマを持つ現役世代は別の店に行けるため大きな問題はない。しかし、免許を返納した高齢者世帯は行ける店がなくなる。人口密度の低い地方では、大都市型のまいばすでは採算が取れない。そこでは、コンビニやフード&ドラッグがスーパーの代替機能を果たす可能性がある。

まいばすけっと(写真:編集部)

小型店が求められる時代

生鮮を扱うフード&ドラッグの損益分岐点売上は、クスリのアオキで約3.8億円、ゲンキーで約3.2億円と試算される(販管費を固定費、粗利率を変動費率とした簡易試算)。これは損益分岐点売上が5~6億円以上と言われる食品スーパーよりもかなり低い。商圏が縮小してスーパーが撤退しても、需要がゼロになるわけではない。5億円未満の需要は残存する。

そのため、生鮮フード&ドラッグなら十分採算が取れる。また、コンビニでもローソンは、スーパー撤退跡地に出店して、地場スーパーと連携して生鮮供給を受けることで、地域の高齢者などのニーズに応える取り組みを進めている。こうして地方では、スーパー撤退後の空白を異業種が埋める動きが広がっている。

大都市と地方では事情は異なるが、どちらも小型スーパーや同様の機能を持つ小型店が求められる時代になっている。もちろん、大型で品揃えの充実したスーパーが業界の主流であることに変わりはない。しかし、まいばすが生鮮も含めたワンストップ型の小型店が実現可能であることを証明した意義は大きい。

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