トランプ米大統領最側近のミラー氏。その影響力は、通商や外交の面で今後の日米関係にも暗い影を落とす。

「Stephen Miller is at the top of the totem pole. I think he sort of indirectly already has that job. Because he has a lot to say about a lot of things. He's a very valued person in the administration, Stephen. (スティーブン・ミラーはトーテムポールの頂点にいる。つまり、彼は間接的にすでにその職に就いているようなものだと思う。……彼は多くのことに対し発言力を持っているからだ。スティーブンは政権にとって非常に価値ある人物だ)」
ドナルド・トランプ米大統領が、5月4日午後、フロリダ州に所有する私邸兼プライベートクラブ「マール・ア・ラーゴ」から首都ワシントンへの帰途、大統領専用機内でホワイトハウス(WH)記者団からの質問にこう答えたのだ。
少々説明が必要だろう。まずStephen Millerはスティーブン・ミラー大統領次席補佐官(政策担当)を指す。39歳の最側近。トランプ氏唯一無二のスローガン「MAGA(アメリカを再び偉大に)」に加え、第1次政権の大統領就任演説で打ち出した「アメリカファースト」を起草したのも同氏だ。
大統領補佐官後任候補に浮上
では、なぜトランプ氏は記者団にミラー氏が「すでにその職に就いているようなもの」と答えたのか。専用機内のインタビューには時間的制約があり、テーマも限定される。もともと記者団の関心事は、同1日WH発表のマイク・ウォルツ大統領補佐官(国家安全保障担当)の更迭=マルコ・ルビオ国務長官の大統領補佐官代行兼任人事にあった。ゆえに後任候補として取り沙汰されたミラー氏の可能性を大統領にただしたのだ。
この記事は有料会員限定です。
(残り 1719文字 です)
東洋経済オンライン有料会員にご登録いただくと、有料会員限定記事を含むすべての記事と、『週刊東洋経済』電子版をお読みいただけます。
- 有料会員限定記事を含むすべての記事が読める
- 『週刊東洋経済』電子版の最新号とバックナンバーが読み放題
- 有料会員限定メールマガジンをお届け
- 各種イベント・セミナーご優待
無料会員登録はこちら
ログインはこちら