94歳のウォーレン・バフェット氏、投資会社バークシャー・ハサウェイの次期CEOにグレッグ・アベル副会長(62歳)を正式に指名
積極的な買収で知られるアベル氏はバークシャーの手元資金3477億ドル(約50兆円)を背景に、新たな買収や投資で同社に自らの色を加えることになる。バフェット氏は2021年にアベル氏が次期CEOの最有力候補だと認めていた。
楽観主義
アベル氏は18年の昇進で、バークシャーの非保険事業の監督を託され、すでに広範な役割を担っている。鉄道会社BNSFやファストフードチェーンのデイリークイーンなども傘下だ。
バフェット氏はキャリア後半に戦略的転換を進めた。電力会社やBNSFなどの企業を買収することで、後継者が安定収益を得られるプロジェクトへ再投資できる道を整えた。バークシャーの成長を長年支えてきた保険業と株式投資への依存を抑制する狙いもあった。
世界有数の富豪であるバフェット氏は06年に電力会社を保有する理由について問われ、「リッチになるための手段ではない。リッチであり続けるための手段だ」と答えていた。
アベル氏はその戦略の実行に寄与。同氏が長年監督してきたバークシャー・ハサウェイ・エナジーは、バフェット氏の企業帝国の中でも最大級の事業へと成長した。
アベル氏はカナダのエドモントンで育った。叔父がプロの選手だったこともあり、アイスホッケーで活躍。アルバータ大学で商学士号を取得後、会計士となった。サンフランシスコのプライスウォーターハウスクーパース(PwC)での勤務を経て、1992年に地熱発電会社カルエナジーに経理責任者として入るなどの経歴もある。
アベル氏は2014年にバフェット氏と共に出席したイベントで、バフェット氏のために「働いていて何が一番素晴らしいのかとよく聞かれるが、それは楽観主義だ。常にある。米国を信じている。われわれの進む先を信じている。素晴らしい姿勢だ」と話していた。
著者:Katherine Chiglinsky、Noah Buhayar
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