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「インドネシア国産電車」に見る日本企業の存在感 中古車や新造車両に東洋電機製造の機器搭載

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  • 高木 聡 アジアン鉄道ライター
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そのほか、VVVF関係でフィルタリアクトル、高速度遮断機、母線ヒューズ箱、スイッチ箱など。SIV関係で整流装置(ICD)、受給電箱など。また、ブレーキチョッパ(BCH)およびBCH用リアクトル、ブレーキ抵抗器が、当社製品として車両床下に設置されている。スペック的にはMRTJ車両に近似している。起動時の音(モーターから発する電磁音)は、特別なことは行っていない。制御ソフトも日本国内向けと同じで、車両性能に合わせて定数変更している程度である。

東洋電機製造製のブレーキチョッパ用リアクトル(筆者撮影)
【写真】インドネシアの電車のパンタグラフは東洋電機製造のシェアが高い。日本の中古車両だけでなくドイツ借款で製造された車両の改修でも採用された

――ジャカルタの既存中古車両のレトロフィット(改修)案件の進捗状況や、今後の新車8本の増備案件などについてはどうでしょうか。

(元東京メトロ)05系のレトロフィット2本24両はVVVFインバーター装置、主電動機、補助電源装置を随意契約で受注しており、2025年夏ごろから出荷が始まる予定だ。新車のほうと基本スペックは同じだが、全く同じにはできなかった。台車と歯車装置は、元々のものを再利用すると聞いている。新車8本の追加について計画は承知しているが、まだ受注には至っていない。

――今後、メンテナンスを請け負ったり、駐在事務所を開設したりする計画はあるでしょうか。

具体的な計画はないが、そういったことは視野に入れていくことになると思う。

ほかの海外展開は?

――東洋電機製造の海外事業全般については、どのような戦略で展開しているのでしょうか。

大手総合電機メーカー(日立、東芝、三菱)と同じような全方面対応は難しいため、地域や案件を絞り、リソースを集中して、最大限の効果を出せるよう展開している。

――東洋電機製造というと、中国案件のイメージが強いです。

中国に関しては1990年代から進出している。当時は地下鉄の案件が盛んに計画されていて、大変な苦労の後に採用に至ったと聞いている。地下鉄の電機品に限っていえば、当社が最初に出たことになる。その後すぐに大手電機メーカーも進出して、各社がそれぞれ現地メーカーと合弁を組んだという経緯がある。そこを足がかりにして、その後高速鉄道網が形成されたこともあり、海外事業の中では現状、中国が大きくなっている。

ところが、中国は急速に力をつけており、入札の仕様が国産となっていて、早々にほかの大手は手を引いた。私どもも価格的にも厳しいということで合弁を1社解消して、地下鉄案件での新規参入は、ちょっと難しいかなと思っている。

【写真を見る】「インドネシア国産電車」に見る日本企業の存在感 中古車や新造車両に東洋電機製造の機器搭載(25枚)

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