個人が機関投資家より「圧倒的」に有利な点 大学財団と個人投資家の共通点

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巨大資金を運用する機関投資家に、個人投資家が勝つ方法とは?(写真:YNS / PIXTA)

前回前々回と、ハーバードやイェールなどがすばらしいリターンを残してきたエンダウメント(大学財団)の投資戦略について説明してきました。

しかし、規模も経験もまったく異なる個人投資家が、エンダウメントと同じ手法で投資する意義はあるのでしょうか。そして、そもそもそんなことが可能なのでしょうか。

今回は、個人投資家のみなさんがエンダウメント投資戦略をお手本にすべき理由、お手本にできる理由を説明します。

機関投資家はエンダウメント戦略をマネできない

個人投資家の話に入る前に、エンダウメント以外のほかの機関投資家について、見てみたいと思います。一口に機関投資家といっても、いろいろなプロがいます。大きくくくると、

①企業や公的機関などの年金基金
②銀行・保険などの金融機関
③エンダウメント、ソブリン・ウェルス・ファンド(国富ファンド、略称SWF)、ファミリーオフィス

 

米国屈指の名門ハーバード大学やイェール大学は、実は世界で最も先進的な機関投資家だった! その投資哲学から実際の運用手法、さらには個人投資家のための活用事例に至るまでわかりやすく解説する、初の個人投資家向け本格的解説書

という3つのカテゴリーに大別できます。

このうち、年金と金融機関は、その運用資金の性格がとてもよく似ています。それは、年金債務や預金債務・保険債務という形で、家計(個人)から資金を預かり、運用しているということです。つまり、借金をして、それを運用しているのです。

こうした機関投資家は、一般的には、元本を保証して集めた資金を組織の役職員が運用しますので、元本をできるだけ毀損しない手堅い運用を好みます。また、運用状況を四半期とか年度などで管理し、評価する必要がありますので、大きなリターンよりも、できるだけ負けないという選択肢を選ぶことになります。

ですから、長期間でのパフォーマンスを追求するうえで避けて通れないリスク、一時的な評価上の損失(ドローダウン)を許容することが難しくなりがちです。

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