石橋貴明さんがSNSで公表「食道がん」早期発見のカギとなる検査法とは?リスクを高める生活や早期に見られる症状、治療について医師が解説
胃カメラは苦しくて嫌だというイメージを持っている方もいらっしゃいますが、鎮静剤を使えば眠っているうちに終わることも多く、検査のハードルは下がっています。
長年胃の不調を抱える方は、放置せず内科などで相談してみてください。
治療はどこまで進んでいる?
食道がんの治療は、がんの種類や広がり、患者さんの体力などによって異なります。
人間の食道の長さは約25cm前後で、胸部の中を縦に通っています。ここにできるがんは、「首に近い頸部食道」「胸の中央の胸部食道」「胃に近い腹部食道」と部位ごとに分けられ、場所によって治療法も異なります。
早期であれば内視鏡による切除が可能なこともありますが、多くの場合は手術、放射線、抗がん剤を組み合わせた「集学的治療」が行われます。
最近では、免疫療法と呼ばれる治療も登場し、特に再発防止や進行がんへの効果が期待されています。なかでも「免疫チェックポイント阻害薬」という薬は、手術後の補助療法や転移がんに対する第一選択の1つとなっています。
治療後は、早期で治療経過が順調であれば、約8割の人は日常生活を問題なく過ごせますが、それでも再発には注意が必要です。
食道は血流やリンパの流れが豊富なため、がん細胞が他の場所に転移しやすく、再発率が高いがんの1つです。実際、多くの再発は治療後2年以内に起こるとされており、この期間は特に定期的な検査や画像診断によるフォローアップが大切です。
食道がんは再発の仕方も多様で、同じ場所にできることもあれば、リンパ節やほかの臓器に転移して現れることもあります。
食道がん全体での長期生存率は4割程度といわれています。進行した食道がんの患者さんは、嚥下(飲み込み)障害によって十分な栄養を摂ることが難しくなることから、治療と並行して食べることへのサポートが欠かせません。
食道がんはがんのなかでも進行が速いほうで、気づいたときには手遅れになることもある病気ですが、胃カメラと治療の進歩によって、早期に見つけて回復するチャンスが広がっています。
「ただの胸やけ」「ちょっと食べにくいだけ」といった小さな変化に気づいたら放置せず、内科医などに相談してみてください。
特に、喫煙・飲酒・胃の不調などのリスク要因をお持ちの方は、日常生活を見直すとともに、「定期的な胃カメラ」を自分の命を守る手段としてぜひ活用していただけるとよいと思います。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら