石橋貴明さんがSNSで公表「食道がん」早期発見のカギとなる検査法とは?リスクを高める生活や早期に見られる症状、治療について医師が解説
病気が進行すると、食べ物も飲み物も飲み込みづらくなり、命にもかかわります。しかし、病気について正しく理解し日々の生活の中で早期発見につなげることができれば、治療の可能性は大きく広がることを知っていただければと思います。
喫煙とアルコールでリスク上昇
食道がんとは、食道の内側をおおう粘膜の細胞に異常が起こり、がん化することで発生します。大きく分けて2つのタイプがあります。1つは「食道扁平上皮がん」。もう1つは「食道腺がん」です。
扁平上皮がんは、主に喫煙や飲酒、熱い飲み物、塩分の多い食事、口腔内の不衛生などが原因とされ、日本を含むアジアやアフリカに多く見られます。
一方、腺がんは肥満や逆流性食道炎(飲食物や胃酸が胃から逆流して食道に炎症が起こる病気)、表面の粘膜が変化するバレット食道などが関係しています。欧米諸国を中心に増加していますが、近年では日本でも徐々に増えており、食生活の欧米化などが関係していると考えられています。
知っておくべき食道がんの重要なリスク因子は、「喫煙」と「アルコール摂取」です。
たとえば、1日20本以上の喫煙を10年以上続けている人では、非喫煙者に比べて食道扁平上皮がんのリスクが約5倍に高まるとされています。1日2合以上の日本酒相当量を常習的に摂取している場合、がんのリスクが約3倍になるというデータもあります。
飲酒に関しては、とりわけアルコール代謝にかかわるALDH2という酵素の働きが弱い体質(飲酒で顔が赤くなる体質)の人は、少量の飲酒でも発がんリスクが大きく上がります。研究によっては体質と喫煙、アルコールが掛け合わさるとリスクが30倍以上になるそうです。日本人の約40%がこの体質といわれています。
発がんリスク上昇は、アルコールを分解したときに作られるアセトアルデヒドという発がん物質が体内に長くとどまり、細胞がダメージを受けやすいためです。
このほか、65℃以上の熱い飲み物の摂取も食道がんのリスクです。
特に伝統的に、熱くした緑茶やマテ茶などを日常的に飲む文化圏では、食道の粘膜が慢性的にダメージを受け、発がんのきっかけになると考えられています。
塩分についても注意が必要です。
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