石橋貴明さんがSNSで公表「食道がん」早期発見のカギとなる検査法とは?リスクを高める生活や早期に見られる症状、治療について医師が解説
長期保存のために使われる亜硝酸塩や、塩分の多い食品(漬物、干物、燻製)は、食道粘膜への慢性刺激となり、扁平上皮がんのリスクを上げる可能性があります。中国の食道がんの高リスク地域では、伝統的な漬物の関与が指摘されています。
一方、地中海沿岸の国々(ギリシャ、イタリア、スペインなど)では食道がんの発症率が低く、その背景にはオリーブオイル中心の食事、野菜や果物の豊富な摂取など、いわゆる地中海式食生活があると考えられます。
早期発見のカギは「胃カメラ」
初期の食道がんは、ほとんど症状がありません。体に変化があっても気づかない、あるいは別の原因と思い込んでしまうことが多く、発見が遅れる大きな要因となっています。
よくある初期症状には、食べ物が喉や胸につかえる感じや、飲み込むときの違和感や痛み、胸やけ、酸っぱいものがこみ上げる感じ、意図しない体重の減少、声のかすれ、慢性的な咳、食後の胸の痛みなどが挙げられます。
食道がんというと「食べ物が飲み込みにくい」というイメージがありますが、この感覚が出てくるのは、病気がかなり進行してからで、すでに食道内の多くの部分をがんが占拠している場合もあります。
また、食道は胸の奥に位置するため、普通の診察では異常が見つからず、一般的なレントゲン検査や、簡単な血液検査では診断が付けられません。
早期の段階で食道がんを見つけるためには、症状が出る前に「見つけにいく」姿勢が大切です。そのためにもっとも有効なのが「上部消化管内視鏡検査」、いわゆる胃カメラです。口から喉、食道、胃とつながっているので、胃を見る際に食道もチェックするのが一般的です。
内視鏡では、口または鼻から細いカメラを挿入して、直接食道の粘膜を観察できます。色の変化、わずかな腫れ、ただれ、小さな病変まで詳しく見えるため、がんの早期発見に非常に有効です。必要に応じて、その場で組織を採取(生検)し、病理検査にまわすこともできます。
最近では、通常の白色ライトに加え、特殊なライトや色素を使ってがん細胞をより鮮明に浮かび上がらせる技術も普及しています。これにより、これまで見逃されがちだった微小ながんの発見率が大幅に向上しています。
リスクの高い方、すなわち男性、50歳以上、長年喫煙している方、日常的に飲酒をされる方(特に少量で顔が赤くなる体質の方)、熱い飲み物や塩分の多い食事を好む方、逆流性食道炎や胸やけの症状が長引いている方、肥満の傾向がある方、食道がんを患った家族がいる方などは、定期的に胃カメラを受けることが強く勧められます。
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