カジュアル衣料のアダストリア、復活の理由 「グローバルワーク」が牽引、6期ぶり最高益

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実はアダストリアは5月末に社長を含む社内取締役4人中2人が突如退任している。辞任申し出は本人たちからとしているが、実質的には更迭という見方もある。福田会長は「店頭起点でないといけない。現場が放置されていた。現場は上司の顔が見えていなかった」と、前社長などへの不満を漏らしている。自身がもう一度指揮を取り、現場重視の営業強化を掲げて再建を急いでいた。

社長不在での異例の経営を続ける中、弁護士出身で日本GE副社長やファーストリテイリング取締役を歴任した松下正氏を取締役兼COO(最高執行責任者)として招聘。福田会長は松下氏について、「アパレルくさいにおいがする。ユニクロ仏子会社を立ち上げたパワーがすごい。まさに現場主義の人である」と評価する。

苦戦中の海外を立て直し

今後の課題は海外だ。アダストリアの海外部門は苦戦が続き、シンガポールからは全店舗を閉鎖し全面撤退した。今期はリストラ効果で赤字が縮小する予定とはいえ、成長戦略はこれからだ。

海外の成長を牽引する柱に据えるのが「グローバルワーク」と「ニコアンド」で、この二つをグローバルブランドに育成する狙いだ。グローバルワークは前年度にグループ初の売上高300億円を達成。積極的な増床や都市部への出店を拡大している。ニコアンドも原宿・明治通りにグローバル旗艦店を出店したほか、韓国江南(カンナム)にも大型店を出店。雑貨や家具、飲食も手掛け、新しいライフスタイルを発信している。

カジュアルファッションの雄であるアダストリアの復活は本物か。これからの施策が注目されそうだ。

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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