スイッチ2発表直前に旧スイッチ向け新作を2026年発売予定、バーチャルゲームカードで両機種連携、ゆるやかな世代交代を狙う任天堂の戦略
しかし、もし任天堂がスイッチ2のソフトラインナップを充実させたいのであれば、これらのシリーズもスイッチ2専用の新作にすればいいのである。だがそうしないということは、任天堂は旧スイッチ自体もまだ役目を終えていないと考えているのだろう。
確かに旧スイッチは爆発的な人気を誇っており、いまのままスイッチ2を出せば大きな人気を得られる可能性がある。とはいえ、旧スイッチからスイッチ2への買い替えがスムーズに行くかどうかはわからない。差別化がうまくいかず一部のゲーム好きしかスイッチ2を買わないかもしれないし、価格が高くなるであろう部分もネックだ。実際に、任天堂は過去にWiiからWii Uで手痛い失敗をしている。
以前の記事で、スイッチ2は突如発表されてもあまり驚きがないと書いた。まったく新しいゲーム機というよりは旧スイッチの後継機といった印象であり、とても楽しみにしているファンでも斬新とは思わないだろう。もしかするとそれを逆手にとり、旧スイッチからスイッチ2へゆるやかに世代交代をしていくのではないか。
ゲーム機の移行期間そのものが長くなる可能性
その予想を強化するような発表があった。それは「バーチャルゲームカード」である。

これはゲームソフトのダウンロード版を仮想のゲームカードとして捉え、ユーザー間で貸し借りできる機能だ。これまでもアカウントをうまく使えば別の本体でもゲームを貸し借りできはしたのだが、借りた側でプレイする際にはインターネット接続が必須など足かせも多く、何よりややこしい側面があった。
バーチャルゲームカードはダウンロード版ゲームを物理媒体にたとえるような仕組みであり、ものを貸し借りするようにゲームソフトをやり取りできる。こちらも家族に貸し出しするときにはローカル通信とインターネット接続が必要なのだが、その後は特にインターネット接続なしでも遊べる便利な仕組みになっている。
さて、このバーチャルゲームカードは旧スイッチのみならずスイッチ2にも対応しており、そこがポイントとなる。つまりスイッチ2から旧スイッチにソフトを貸し出すケースもありうるわけで、最初期はふたつのゲーム機をそこまで大きく差別化するつもりがないのではないか。
確かにスイッチ2専用タイトルをバンバン出せば売れる可能性は高まるわけだが、移行に失敗すればそれらの作品は埋もれてしまう。あえて旧スイッチとスイッチ2のどちらでも同じゲームソフトを遊べるような仕組みにしておけば、移行失敗のリスクを減らせるし、バーチャルゲームカードのシステムも生きる。
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