入社から2カ月ほど経った68年6月27日、安倍は初めての契約を取る。赤坂の高級住宅地で飛び込んだ家の女性が別荘地を購入してくれるというのである。このとき、安倍が大きな家だと思って訪ねた建物は、実は、もっと大きな豪邸で働くお手伝いさんたちの寮であった。普段から「塀があるなら乗り越えろ!」とたきつける上司の言葉を真に受け、いつの間にか邸宅の敷地に入っていたのだ。聞くと、世界的タイヤメーカーの創業家の豪邸であった。
「60万円の区画を買っていただきました。その恩が今も忘れられません。話すら聞いてくれない人がほとんどという中、半ば私に同情して買ってくださった」
安倍はこの人が亡くなるまで年賀状のやり取りを続けたという。
この経験が安倍の営業哲学に大きな影響を与えた。
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