EV「テスラ」人気と販売台数がつるべ落としな理由 年間販売台数は初の前年割れ、マスク氏のアンチも
オーストラリアの電気自動車協議会によれば、1月のテスラの販売台数は前年同期比で33%減だった。テスラにとってアメリカに次ぐ2番目の市場の中国では、中国汽車工業協会の統計でテスラの1月の販売台数は前年同期比11%減、12月比では33%の減少となった。
1月下旬に発表されたテスラ第4四半期決算はアナリスト予測を下回った。全体的な売り上げはわずかに増加したものの、営業利益は前年同期比23%減の16億ドルだった。年間販売台数は180万台と、前年比で同社史上初の減少に転じた。
相次ぐ「ボイコット」活動
テスラのイメージは大きな打撃を受けている。ヨーロッパの活動家は、ベルリンにあるテスラの巨大工場の壁に、ナチス式敬礼をするマスク氏の姿を投影し、「TESLA」の社名のイルミネーションの前に「Heil(ハイル)」の文字を映し出す行動に出た。
このプロジェクションについては、イギリスの「Led By Donkeys」とドイツの「Center for Political Beauty」という左派活動家団体が、X(旧Twitter)で関与を認めている。
工場本社にはテスラの社名と並べて「ボイコット」の文字も投影された。
テスラの車やショールームに対する破壊活動も増え、数カ国のディーラーがマスク氏を非難する落書きの被害に遭った。
テスラ株主からは経営陣の刷新を求める声も出ている。テスラ株に長年投資してきたアイスランドのカレン・ロベルツドッティル氏は、同社に与えるマスク氏の影響に苛立ちをあらわにした。
ロベルツドッティル氏は「何年もの間、私はあなた方を擁護してきたし、あなた方は素晴らしい製品を作っている。でももう私でもかばいきれない」とテスラのYouTubeチャンネルに書き込んでいる。
業績への影響はのしかかる。2024年の大統領選挙でトランプ氏の勝利を受けて急騰したテスラ株は、直近の1カ月で13%急落した。公人としてのマスク氏の不穏当な人格が同社の価値を引き下げる「マスクディスカウント」についてささやき始めたアナリストもいる。
(執筆者:ヘスス・メサ)
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