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ソフトバンクグループのビジョン・ファンドは、サウジアラビアのムハンマド皇太子が率いるパブリック・インベストメント・ファンド(PIF)の期待に十分応えていないと、孫正義氏が認めた。
ソフトバンクグループの孫正義最高経営責任者(CEO)は、マイアミビーチで開かれた国際投資会議「フューチャー・インベストメント・イニシアチブ・インスティチュート(FII)に21日登壇。「皇太子はすでに自分のビジョンをお持ちだった」とパネルディスカッションで話した。「わたしたちは良いタイミングで会うことができた。しかしまだ、十分なリターンを私は提供できていない。まだ借りがある」と述べた。
ソフトバンクグループの旗艦ファンドであるビジョン・ファンドは、数年前から上場企業の株式を数十億ドル単位で売却もしくは減損処理を行ってきた。孫氏はかつて熱意を傾けたベンチャーキャピタル取引から距離を置き、半導体や人工知能(AI)関連の戦略的投資に軸足を移した。これまでにクーパンやドアダッシュ、グラブ・ホールディングスなどの株式を売却。孫氏は21日、自分は時折「賭ける馬を間違える」ことがあると述べ、ウィーワークを例に挙げた。
昨年11月、ビジョン・ファンドではラジーブ・ミスラ共同CEOが退任。過去最大規模のベンチャーキャピタルファンドは波乱に満ちた幕を下ろした。孫氏が2017年にビジョン・ファンドを設定した際、同氏の片腕だったミスラ氏はサウジやアラブ首長国連邦(UAE)、アップルなどから1000億ドル近い資金を調達するなど、欠かせない存在だった。サウジのPIFは18年10月には、第2のビジョン・ファンドに450億ドルの出資を確約した。
ソフトバンクグループが今月発表した24年10-12月期(第3四半期)の業績は3692億円の純損失と、再び赤字に転落した。ビジョン・ファンド(SVF)事業はクーパンやディディ・グローバル・インクなどの公開保有株式が前期の利益の一部を放棄したことにより、3100億円の損失を計上した。
著者:Dasha Afanasieva
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