人のみならず犬でもアレルギーが急増する理由 アトピー性皮膚炎や食物アレルギーを防ぐには

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自分の尿で、体の状況が把握できるようになれば、いつ何をどれだけ食べていいのか、食べてはいけないのか、経口免疫療法を進めていいのか悪いのか、医師や患者さん、それを見るお母さんお父さん皆が、数値をもって判断できるようになると期待しています。

科学的根拠に基づいた、安全・安心な食物アレルギーの診断や治療の確立に役立てるべく、急ぎキットの開発を進めています。

最新研究「自分の皮膚の状態も同時に把握する」

また、皮膚の荒れや炎症が、食物アレルギー発症のリスクになることは、本書で紹介されていますし、近年は広く知られるようになってきました。我々は、食物アレルギーの状態を示す尿中バイオマーカーの次に、皮膚の状態を把握できる尿中バイオマーカーの発見にも成功し、発表してきました。

食物アレルギーの検査キット開発に手一杯で、まだこちらの皮膚炎バイオマーカーの検出キットの作製には着手できていません。しかし将来、皮膚とアレルギーの状態の両方を尿でみて、食物アレルギーのリスクや状態を把握できるようになれば、食べたいものを自由に食べられるようにできると信じて、研究開発を進めています。

『アレルギー』にはこれらの私が進めている研究テーマのヒントになる情報がたくさんありました。一般の方にとっても、アレルギーは今や身近な話ですから、読んでもらえたらと思います。間違いなく、ここ数年でいちばん刺激をうけた本です。

後編につづく)

村田 幸久 東京大学大学院農学生命科学研究科准教授

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むらた たかひさ / Takahisa Murata

東京大学大学院農学生命科学研究科准教授。2004年、東京大学農学部獣医学専攻卒業。博士(獣医学)。2004年よりイエール大学医学部研究員を経て、2005年東京大学農学部助教となる。2013年より現職。

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