住宅ローン「団信」特約、後悔しない選び方の極意 「特約を付ければよかった」後悔する人が多数
まず、基本的な団信と付帯できる特約、それと金利の関係について説明しよう。基本的な団信は、万一のときに、保険金で住宅ローンの残高を保障するもの。保険料は金利にすでに含まれている。
一般的に知られているのは、がん保障が付く「がん団信」や、がんに加えて脳卒中と急性心筋梗塞の3つの病気を保障する「三大疾病」などの特約である。こうした特約を付帯すると、原則、住宅ローンの金利に0.1%や0.2%などが上乗せされる。一般的に、保障を充実させるほど、金利の上乗せが増えることが多い。
基本の団信をカバーする形で特約が拡大
基本的な団信は、住宅ローンを借りる際に金融機関から加入を求められる(※1)。ただし、住宅ローンが完済されるのは、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害の状態(※2)になった場合に限られる。
※1:【フラット35】は加入が必須ではない(健康上の理由などで団信に加入できない場合でも借りることができる)
※2:【フラット35】の新機構団信では、高度障害の代わりに「身体障害者福祉法に定める障害の級別が1級または2級の障害に該当し、身体障害者手帳の交付を受けたとき」としている。
高度障害とは、一般的に、病気やケガなどが原因で身体機能が重度に低下している状態をいう。具体的には、両手あるいは両足を失うか全く動かない状態にある場合、両方の視力を永久に失った場合、中枢神経系や精神に著しい障害があり常に介護を要する状態になった場合などが挙げられる。
つまり、団信に加入し、長期間の入院を余儀なくされても、条件から外れる病気やケガの場合、住宅ローンの返済は続くことになる。
そこで基本的な団信ではカバーしていない、日本人に多い病気などでも保険金で住宅ローンが完済できるように登場したのが、「がん団信」だ。がん団信は、2001年にカーディフ生命保険が始めたとされている。
同社は2004年に、脳(脳卒中)と心臓(急性心筋梗塞)の病気をカバーする特約も始めた。がん団信にこの特約を加えたものが、いわゆる「三大疾病保障」と呼ばれているものだ。
さらに2006年に、同社は5つの重度慢性疾患(いわゆる生活習慣病)をカバーする特約を始め、三大疾病に五大生活習慣病をカバーするものが、いわゆる「八大疾病保障」と呼ばれている。このように、基本の団信で対象外となる病気をカバーして保障する形で、団信の特約が拡大していったのだ。
次からは、具体的な特約の内容を詳しく見ていこう。ここでは、保険商品の多いカーディフ生命保険及びカーディフ損害保険の商品をもとに説明するが、保険会社によって商品の種類や内容が異なる点に留意してほしい。
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