インドでほぼ確でボラれる日本人「歩き方のクセ」 なぜ「騙しやすい奴」と思われてしまうのか

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しかし、そんなことよりも何よりも、 目下の問題は、耐えられない孤独感だった。気さくなインドの人々は、初めて会った時から「オー! フレンド!」と寄ってくるし、二度目に会ったら、もうそれは親友に近い何かに昇格している。肩を組みながら(時には男同士でも手を繫ぎながら)街歩きだってできる。この気やすさと身体接触の執拗さは、本当にすごい。

そして、絶えることのない質問攻撃が繰り広げられる。当時のフィールドノートにメモしていたものを引用しよう。

なんでも聞いてくるインド人

インド人がしてくる質問ベスト10
1 どこから来た? ジャパーニー(日本人)か?
2 日本のどこから来た?(だいたい返答は「オオー! トキオー!」)
3 日本で働いているのか? 父親は何をしている人か?(母親のことはあまり聞かれない)
4 (学生だと答えると)何を勉強している?
5 ガールフレンドはいるのか? 結婚しているのか?
6 名前はなんという?(聞いたって仕方がないのに、必ず聞かれる)
7 (旅に関して)どこに行く? どこから来た? 何日インドにいる? いつ帰る? 一人旅か? なぜ一人なんだ? 友達はいないのか?(大きなお世話だ)
8 インドは好きか?(一番困る質問。素直に好きって言えたらなぁ)
9 どこのホテルに泊まっている?(答えたところで大体知らない)
10 (身の回りのものについて)この指輪、どこで買った? カメラ持ってる? この腕時計貸してくれる? 君のメガネかけていい? そのボールペンくれる?(そして、全ての値段を事細かに聞かれる。これ、確実)

でも、そんな陽気な彼らとどんなにつるんでいても、僕の孤独感が埋められることはなかった。僕は、異質な存在であり続けた。

その僕の抱える異質さを、なんとか埋め合わせようと、彼らも必死だったんだろう。自分が属する世界の枠組みのなかで、日本からフラフラやって来た奇妙な若者の存在をいかに同定することができるか。その試みが、マシンガンのように降りかかる質問攻撃につながっていたのだと思う。

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