「決断の節約」をするためには、あらかじめ物事を決断しておく必要があります。Appleの創始者であるスティーブ・ジョブズは、同じ種類の服を何着も持っていて、毎日同じような服装で生活していたといいます。
なぜそんなことをしていたのかというと、「服を選ぶという決断行為」をしなくて済むようにしていたからなのではないかといわれています。1日で決断できる物事の数が決まっている以上、大切な決断を無駄なところで使うのではなく、決断の節約をしていくべきだと考えていたのではないかと解釈することができます。
地方の学生が不利な理由
これと同じように、「決断疲れ」をしないようにするためには、前日までに決断をしておく必要があるのです。当日になって「今日は何時の電車に乗っていこうか」「今日は親にどこまで送ってもらおうか」なんて考えているようでは、決断を無駄に使ってしまうことになり、決断疲れが早く来てしまう可能性があるのです。
そして、そのためには親御さんが手伝ってあげる必要があります。当日の朝に決断する必要がないように、「朝はこんなご飯で、この時間に電車に乗って、ここの試験会場までこうやって行けばいいからね」というように、受験生が試験会場に辿り着くまでの決断の数をできる限り減らしてあげるのです。そうすれば、受験生は決断の回数が少ない状態で試験会場にたどりつくことができます。
僕は地方から東京に来て試験を受ける学生を指導することも多いのですが、そのときの最大の不利はこの点にあると考えています。
東京の学生が東京で試験を受けるとき、まるっきり「見知らぬ土地」ではないでしょうから、電車の移動も乗り換えもあまり「決断」をしなくて済みます。でも地方の受験生だと、一度も使ったことのない駅から駅へ移動して、乗り換えをしたり電車を選んだりしなければなりません。「えーと、この電車でいいのかな」と決断をすることになり、この時点でもう「決断疲れ」になってしまうかもしれないのです。
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